2019年7月30日火曜日

A・N・ホワイトヘッド「単純さを求めよ、而してそれを疑え」



昨夜、A・N・ホワイトヘッド(1861-1947)のプロセス哲学関連のビデオに行き当たった
その中に、この哲学を引き継いだチャールズ・ハーツホーン(1897–2000)が出ていた
名前は知っていたが、どのような哲学者かは知らなかった

お話を聞いていると、真摯に探究する人という印象を持った
そこで紹介されていたホワイトヘッドの言葉に膝を打った
"Seek simplicity and distrust it."
このようなことが言えるホワイトヘッドには天才がある、とハーツホーンは言っていた
こういう反応によって、哲学とはどういう営みなのかについての感触を得ることができる
この言葉は、次のような文脈にあったものだ
「科学の目的は、複雑な事実の最も単純な説明を求めることである。単純さが我々の探求の目的なので、求める事実は単純であると考える誤りに陥りやすい。すべての自然哲学者の人生を導く座右銘は『単純さを求めよ、そしてそれを疑え』でなければならない」
わたしなりに少し敷衍してみたい
科学は17世紀以降、大きな発展をしてきた
その根にあるのは、還元主義や物理主義や決定論を科学の哲学にしたことである
単純化の道を歩んできたのである

しかし、そこで得られたものが自然を反映していると言えるだろうか
自然はもっと複雑なはずである
つまり、単純化して得られた結果は、常に反省の対象でなければならない
これはわたしの言葉で言うところの「科学の形而上学化」に当たるのではないのか
哲学者の役割は、まさにそこにあるとも言えるだろう

実は以前からホワイトヘッドは気になる存在であった
人生の歩みに興味を持ったのが最初であった
また、有機体の哲学を展開した人でもある

思わぬところから、ホワイトヘッドに繋がる糸口が見えてきた感じがしている






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