dimanche 11 septembre 2016

アーレント事件



『アーレントとハイデッガー』 という本がもう少しで店頭に出る予定だという
ルーアン大学の哲学者エマニュエル・フェイ(Emmanuel Feye, 1956-)さんの最新刊

Arendt et Heidegger - Extermination nazie et destruction de la pensée

「ナチスの絶滅作戦と思想の破壊」という副題が付いている
この中で、これまで指摘されて来なかったハンナ・アーレントの考え方が指摘されているという
ル・ポワンの紹介記事から簡単に紹介したい

アーレントは1906年にハノーバーで生まれ、1975年にニューヨークで亡くなっている
1933年ドイツを去り、フランスに向かう
1940年5月にはフランス南部のピレネー・アトランティック県のグール強制収容所に収容される
しかし、マルセイユ、リスボンを経て、1941年5月にはアメリカに到着

今や崇拝の対象にまでなっているアーレント
しかし、彼女の作品を読み込んだフェイさんはその思想に大きな疑問を投げ掛ける
彼女はドイツにナチズムの責任を課すことを常に免除していた
ヒトラー出現を許したインテリの決定的役割を一貫して無罪とするように努めた
ユダヤ人虐殺という特殊な歴史を現代、技術、祖国喪失という一般的な考察の中に解消した

戦前に皆殺しを生み出すことに寄与したドイツ浪漫派の思想家を許している
その代わり、反ユダヤ主義の誕生はユダヤ人自身に責任があるとしている
驚くべきことに、人間や民族の歴史的で生まれつきの不平等性を認めている
さらに、人権の基盤を批判し、「人間の尊厳」というのは傲慢な神話であると考えていた
哲学を破壊し、論理的議論や理性を破棄しようという意志を持っていたという

これまでもそこにあった彼女の作品が、なぜこのような視点から読まれることがなかったのか
それが問題になるだろう
崇めて読むのではなく、明晰な批判精神とともに、情報を基にした読書が必要になる
これはポル・ドゥロワさんのご意見で、参考にしなければならない

今回の指摘により、ハイデッガーの影響を受けた哲学者の思想が再検討されることになるだろう
アーレントに始まり、レヴィナスハンス・ヨナスメルロー・ポンティなどが被告席に座るだろう
そう指摘するのは、アラン・フィンケルクロートさん

真実の姿はなかなか見えないものである
ものはそこにあっても目に入らないことが如何に多いかについてはいつも気付いているからである
今回の件について確認する時間がないのは残念である


これまでにもハイデッガー、アーレント、フェイさんについては何度か触れていた

ハイデッガーの二つの顔(I) (2006-07-09)
ハイデッガーの二つの顔(II) (2006-07-10)
ハイデッガーの二つの顔(III) (2006-07-11)
ハンナ・アーレント 「精神の生活」 La Vie de l'esprit - Hannah Arendt (2008-12-07)
映画 "Hannah Arendt" を観る (2013-04-26)
ハンナ・アーレントさんの人生と思索の跡を観る (2013-04-27)
知ることと理解することの間にあるもの (2013-04-28)
ハイデッガーの 『黒のノート』 (2014-02-11)





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