2017年11月19日日曜日

『アウグスティヌス』 を読む



日本での疲れが出たのか、風邪の症状が続いていた
立ち止まって見直すとやはりハードな日程だったので致し方ないだろう
寒気と頭痛がやっと収まりつつある

先週の水曜、羽田からパリに向かうの機内で1冊の本を読んできた
手に入れたばかりの出村和彦著『アウグスティヌス―「心」の哲学者』である
帯には「内なる自分を越えよ」とある
パリで「サントーギュスタン」として耳に馴染んでしまった方のお話である
直後の印象が薄れてしまっているが、簡単にメモしておきたい

新プラトン派のプロティノスの体系とは?
超越的で根源的な「一者」から「知性」、「魂」そして物質的なものという段階的存在を措定
「一者」から恰も光が広がるようにその善性と存在性が流出し、下位の「魂」や物体へ波及
他方、可変的な物体や魂から上位のより普遍的な知性を経て「一者」との合一へと帰還

アウグスティヌスは自身に立ち返るように促され、内奥へと向かって行ったようだ
外面に向かう方とは反対に、外から内へ、内からより内側へ、そして最も内奥へ向かう
そこにあるのが「心」で、わたしとは切っても切れない最も親しいところ
そこで見えてくるのは「光の体験」としている
その光は、それを見ようとする精神を超えたところの普通の光よりも遥かに明るいもの
比較を絶して照り輝くものだという
それを見たアウグスティヌスは、こう言ったという

  「おお、永遠の真理、真理なる愛、愛なる永遠よ、あなたこそはわたしの神」

可変的な物質から精神へ、さらにそれを超えた普遍的なものへと思索を進める
そして最後に、永遠不変の「ものそのもの」を目にするところまで上昇を続ける


この部分は、わたしが求めている「絶対的真理」への道にも通じるものがある
これまで自らの方向性や方法論に疑問もあったが、それほどズレていないのかもしれない
そんな印象を持った




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