サンジェルマン通りに面したホテルのバルコンから朝焼けの空を見る
すでに飛行機雲に乱された見慣れたパリの空だ
何度も通ったところだが、このホテルがあることには気付かなかった
自分には関係がないと思っていたのだろう
今日は午後からENSカヴァイエス・センターでのセミナーに招かれた
免疫と認識について最近考えていることについて話をした
1時間の発表に続き、1時間のディスカッションということで哲学では普通の流れであった
写真でも伺われるが、そこで感じるのは思考の自由だ
誰にも気にすることなく、わたしにとって参考になる多くの質問、助言が続いた
数学の領域の方からの質問に答えるのは大変であった
自分の知っていることは他の人も知っているという前提で話しているためだろう
いくつかの言葉を独自の意味で使っているのにその説明がないという状態であった
それについてはフォローしてくれる若手がいて、後で論文を送ってくれるとのこと
彼はスペイン出身で、現在はスイスをベースにし、パリにも顔を出している
今年の夏、日本で開かれる分析哲学の会で発表する予定で、今日本語を勉強中
セミナー後には、フランス語、英語、スペイン語、イタリア語が飛び交っていた
他にも日本語を披露してくれる若手がいた
これから考えなければならない宿題をふんだんにいただいた充実の2時間であった
これだけで今年はもつのではないかという感じさえする
このように精神が昂る経験は久しぶりである
今回もいつものように寸前まで準備に追われていた
最近では、最後の最後にならなければ事に当たることができないという習性が分かってきた
そのため、以前には感じていたフラストレーションがなくなった
どうしてもっと前から始めなかったのかという気持ちが消えたのである
こういうものだと思って当たるしかないと諦めたのだろう
最後にどんな状況が待っていようとも受け入れることができるようになったとも言える
今回も終わりよければ、ということで纏めることにしたい
ENSに向かう途中パンテオン周辺を歩いたが、マスター時代を思い出させる時間となった
ただそこに、ノスタルジックな気分はなかった
その昔よく入ったカフェで一休みしてから会場に向かった
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