この1週間当たっていた訳書の最終見直しが終わり、わたしの手を離れた
これで俎板の鯉になったと言えるだろう
これまで、翻訳という仕事が想像以上にdemandingなものであることを痛感し続けてきた
根気と忍耐力が求められるだけではなく、意識もそちらに向かってしまうからだ
その間、気が抜けないのである
また、1冊の本をこれだけ注意して読むことはないことにも気付く
そのため、訳者にとっては内容がよく頭に入ってくるという利点はある
少し離れて見れば、フランス文化のある部分に窓を開くことにもなる
しかも、それは訳者の日本語によって行われるのである
同じ作品でも訳者によって全く異なる世界が展開されることになるだろう
そこに何か責任のようなものを感じる理由がありそうだ
翻訳に携わって実感できるようになったのは、これらのことである
予定通り進めば、3月下旬の刊行になる『これからの微生物学』
目に見えない世界が動物や植物、さらには環境との関係のなかで描かれている
我々の世界、我々の生について考える際の資料としても貴重なものになるはずである
興味をお持ちの方には実際に手に取ってお読みいただければ幸いです
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