2017年10月6日金曜日

第4回サイファイ・カフェSHE札幌、無事に終わる



昨日、4回目になるサイファイ・カフェSHE札幌を開催した
いつものように、寸前まで準備に追われていた
そのせいかどうかは分からないが、電源コードを持ってこなかったことに気付かずにいた
パリカフェでも忘れひやひやしたが、今回はバッテリーの残りが殆どなくなっていて慌てる
幸いマルチタイプのものが近くの店で見つかり、胸を撫で下ろした
間違いなく、何かが進行しているようだ

今回は、内的生活をどのように捉え、どのように充実させるのがよいのかについて考えることにした
我々の中に、精神生活を重要なものとして位置付けようとするところが弱いように見えるからであった
それは個人レベルだけではなく、社会や国のレベルでも観察される
その欠落がわれわれにいろいろな不利益を齎していると考えたからでもある
講師の10年に及ぶフランスでの無為の生活の中で気付いた点を中心に紹介した
そこから現段階における内的生活の一つの形を提示できないかと考えたのである

第一に、これまでに提唱している意識の三層構造モデルについて説明
第1層は日常生活で使われる領域で、第2層は職業生活で使われるものである
この二層に留まりがちな生活では精神生活が浅く貧しいものにならざるを得ない
その上で、この二層を超えた全的生活が占める第3層を充実させることが重要になることを指摘した
そこでは、瞑想や省察が行われる
無を目指すのではなく、活発に記憶の中を歩き回り、繋がりを探すのである
この層の開拓は、「考える葦」である人間に課せられた義務として捉えることもできるだろう
さらに言えば、それは人生の目的と言っても良いものである

第二に、第3層の充実には時間をたっぷり取って自らを振り返る瞑想や省察が欠かせない
つまり、暇がなければならないのである
西欧では、ジョン・カバット・ジン博士が無宗教の瞑想として広めたマインドフルネスがある
「いま」の経験に注意を集中して心を開き、ネガティブなものも受け入れる姿勢が求められる
そして、その中に入り込むのではなく、少し離れて対応することが重要になるという
この点で、わたしが行っている瞑想とは明らかに異なることが分かる
マインドフルネスのプログラムを行うことで、身体にも良い効果が出るという結果が蓄積している
例えば、疼痛、ストレス、不安の軽減、免疫増強、うつ病再発予防、心血管系の改善も齎すという

また、特定のタスクをするのではなく、こころを彷徨わせた状態で活性化されるものにDMNがある
デフォルトモードネットワークである
これは記憶の蓄積や引き出し、これから起こることに対する準備などに重要な役割があるという
さらに、創造性や芸術性にも関与している可能性も指摘されている
瞑想は、このDMNと自己の統御に関与する領域との機能的な連絡を増強する効果があると言われる
DMNによる活発な活動に対し、抑制的に作用するということだろうか

そして第三には、瞑想にも関連するストア哲学について簡単に紹介して意見交換に入った
その中で指摘された問題として、わたしも感じていることがあった
それは、充実した内的生活を送るには、仕事から離れた暇な時間が不可欠になる
しかし、それを実現することは、仕事に追われている現役には難しいのではないかという点である
講師はその時間に恵まれているが、我々はどうすればよいのかという問いであった

これに対してまず言えることは、上で述べた内的生活、特に第三層の重要性を意識することだろう
その上で、少しでもその実現に向けて試みることである
各自が試行錯誤して獲得するしかないのではないだろうか
ここで忘れてならないのは、瞑想や省察の前には生の経験がなければならないことである
つまり、静は重要ではあるが、動を軽視してはならないことである
動の蓄積にも生き生きとした哲学を生み出す力があるように感じているからだ

今回は直前で急用のために参加できなくなった方がおられた
また、岐阜から着いたばかりで空港から駆けつけてくれた若者もいて議論が盛り上がっていた
それは懇親会においても衰えることはなかった
次回も若手の参加を期待したい

お忙しい中、参加して議論に加わっていただいた皆様に改めて感謝したい


会のまとめ






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