2018年5月20日日曜日

久しぶりの日本、そしていくつかの発見



ほぼ半年ぶりに日本に戻ってきた
フランスが奥まった書斎だとすると、日本は現実がすぐそこにある台所や居間になるだろう
フランスでは意識の底に沈んでいるが、日本ではそこから浮き上がるという感覚がある
この感覚は現在に至るまで変わらない

現在も翻訳の仕事に当たっており、最後になる三校のゲラを読んでいるところである
まだ修正を必要とするところが見つかる
ただ、今回は全体を頭に入れて読み直すことができるようになっている
そのため、この読みの後には修正点は最小限になるのではないかという予感はある
勿論、今のわたしのレベルにおいては、という限定付きではあるのだが、、

この間、気分転換にテレビをつけることがあった
それはいつも偶然に導かれたものになるが、少なからぬ発見がある
日本人のどこかにヨーロッパに対するあこがれがあるのだろうか
今回も美しいヨーロッパの情報が少なくないことに驚く

その中に直接関係するものがあった
今日のお昼に放送された「辻井伸行×パリ ~ショパンが舞い降りた夜~
テレビをつけた時、どこかで見たような人が出ている
ピアノの修復や調律を専門にされているフィリップ・ジョリーさんだ
彼の工房にある古いピアノで辻井さんが演奏をしているところだった
6年ほど前にこの工房を訪問したことがあり、当時を思い出しながら懐かしく観た

左岸のピアノ工房で現代を語る(2012.2.17)

そして、今朝の日曜美術館
そうとは知らずにつけた時には終わりに近づいていた
今日は不染鉄(1891-1976)という画家が取り上げられていた
勿論、初めての方で、第一印象は囚われのない絵を描く方というもの

変わった経歴の持ち主で若い時に漁師をしていたこともある
その時の経験が関係あるのかどうか分からないが、海の絵の中に興味深いことを書いていた
正確なことは忘れたが、次のようなところでオヤッと思ったのだ
海に沈んでいる魚と一緒に暮らす
真実とは何か、幸せとは何か、人生とは何かを考えよ
そして時に陸に上がり、いろいろなものを食べ、そして再び海の底に沈んでいく
これはわたしの生活環と同じではないか思い、目を見張ったのだ
ウィキにあった彼の信条も今ではよく分かるようになっている
「芸術はすべて心である。芸術修行とは心をみがく事である」
「いヽ人になりたい」
「いヽ人」とはパスカルの「オネットム」に当たるのだろうか
もう少し正確な言葉を知りたくなり、画集などを注文した








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