2020年8月23日日曜日

ショーペンハウアーとカントの日課
















昨日、
ショーペンハウアーについてのエッセイを読んだが、その中に彼の日課が紹介されていた

彼は40代半ばに隠遁生活に入ったようだが、最後の居を構えたフランクフルトでのものになる

72歳で亡くなっているので、彼が言った次の言葉の意味がよく分かる

「人は、先の40 年で本文を記し、続く30 年で注釈を加える」


紹介されていた日課は、以下の通り

 朝の7-8時に冷たいスポンジで体を拭く

 その後、自らコーヒーをいれ、数時間執筆する

 メイドが来る正午まで来客を迎える

 彼は毎日フルートを吹くことを日課にしていたようだ

 それからお気に入りのイギリスホテルで食事をした後、再び自らコーヒーをいれることもあったようだ

 小一時間の昼寝をした後、シガーをやりながら軽い文学作品を読む

 それが終わると愛犬のプードル「アトマ」の散歩に出かける

 普段は9時間の睡眠をとっていたという


そういえば、哲学者の日課については、以前にエッセイでも取り上げたことがある

参考までにカントの日課を以下に貼り付けておきたい


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朝の 5 時 5 分前、プロセインの兵士だったマルティンが御主人の寝室に入り、「時間です」と告げる。その哲学者は 5 時にはテーブルに着き、紅茶を 1-2 杯飲み、日に一度のパイプを燻らす。そして、7 時には講義に出掛ける。帰ってきて午後 1 時 15 分前まで書斎で仕事をする。その時、料理人がマルティンと共に 「45 分になりました」 と言いに来る。昼食にはグラス半分のラインかハンガリーのワインを飲み、お客さんが来るのを待つ。会話を楽しみにしていて、一人で食事をするのを嫌っていた。客は 2 人から時に 5 人くらいで、午後 3 時まで食事は続く。ここでも皆さんワインで、その哲学者が嫌うビールは決して口にしなかった。

ケーニヒスベルクの冬は厳しいものだったが、どんな天候であろうと食事の後の 1 時間の散策は欠かさなかったという。そして、散策から戻ると高級紙や政治関連のものを読み、午後 6 時から夜の仕事を始める。夜食は取らず、読書に打ち込む。そして 10 時になると就寝。冬でも暖房なしだが、カントは布団に包まって暖まる特別な方法を知っていた。満足してベッドに入ると眠気が襲う。そして、自分は幸せな存在だと思うのであった。

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 (医学のあゆみ  263: 213, 2017)






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