2022年10月20日木曜日

コリングウッドによる自然(26): ルネサンス期の自然観(2)






今日はルネサンス宇宙論の第1段階と題されたところを読むことにしたい

16、17世紀には、2つの主要な時期がある

この2つは、アリストテレス(384 BC-322 BC)への敵意、目的論の拒否、形相因と作用因が自然に内在することへの執着という点では同じである

それは、質的相違の基礎に数学的構造があるという新プラトン主義新ピタゴラス主義に似ている

しかし、2つの時期は心身関係についての見方が異なっている

初期の段階では、所産的自然Natura naturata)と呼ばれるようになった自然界は、生きている有機体として考えられていた

しかし時が経つにつれて、始めからあった数学的傾向が優勢になり、「有機体としての自然」は「機械としての自然」に取って代えられた

この過程に関わったのが、コペルニクス(1473-1543)であった


形相因、作用因の内在性を説く初期の流れは、形相因、作用因をこの世界の外に置く古代ギリシアのものとは異なっていた

これらの因子の内在性は自然に尊厳を与え、そこに自己創造性を見、自然を神的なものとして捉えるようになり、自然現象を注意深く正確に観察するよう促したのである

アリストテレスの宇宙論が斥けられると、科学者は自然のどんな些細な声も聞き逃すことなく観察するに価値があると考えるようになった

このような態度は、15世紀終わりのレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)の時代にはしっかり確立されていた

しかし、この時期の自然はまだ生きる有機体で、自然と人間の関係は占星術や魔術で考えられていた

これを攻撃したのが、15世紀終わりのピコ・デラ・ミランドラ(1463-1494)であり、それに続いたジローラモ・サヴォナローラ(1452-1498)やジャン・カルヴァン(1509-1564)であった

彼らの努力にもかかわらず、15、16世紀はオカルト学が優勢で、なかなか死に絶えなかったのである









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