2022年10月21日金曜日

コリングウッドによる自然(27): ルネサンス期の自然観(3)




























 Nicolaus Copernicus (1473-1543)




近代の宇宙論の転機は、1543年にコペルニクス(1473-1543)の『天球の回転について』が死後に出版された時に訪れた

この本では、地球を世界の中心から排除し、惑星の運動を太陽中心説(地動説)で説明している

コペルニクスの発見の真の意義は、世界の中心を地球から太陽に置換したことではなく、世界に中心があること自体を否定するものだったところにある

物質的世界は中心を持たないということであった

このことは、自然界を有機体と見做すすべての理論を破壊したという点で、革命だったのである


有機体は分化したいろいろな器官を含んでいる

ギリシアにおける球形の有機体は、大地が中心に在り、その次に水、さらに空気、火と続き、そして最後には、アリストテレス(384 BC-322 BC)によれば、外被としての第5元素があった

コペルニクスの理論は、有機体としての世界を否定し、引力の法則はどこにでも適用されることになる

星も神的実体を持つことを止め、地球と同質のものになる

ニュートン(1642-1727)が万有引力の法則を確立し得たのは、コペルニクスが地球上で確立された法則は星空全体に有効であることを教えたからである

新しい宇宙論では、質に関する自然的な差異はなく、質的に一様である唯一の実体があるだけである

その上で、唯一の差異性は量についてのものであり、幾何学的構造の差異なのである

この見方は、プラトン(427 BC-347 BC)やピタゴラス(582 BC-496 BC)だけではなく、この世界には原子と空虚以外に存在しないとする原子論者たちをも思い起こさせるところがある









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