2022年10月23日日曜日

コリングウッドによる自然(29): ルネサンス期の自然観(5)
































今日は、フランシス・ベーコン(1561-1626)である

昨日見たように、ジョルダーノ・ブルーノ(1548-1600)は二元論を克服できず、内在性と超越性の二元論として残った

そのため、17世紀には二元論が噴き出した

例えば、形而上学においては心と体、宇宙論では自然と神、そして認識論では理性主義と経験主義の二元論である

これらの二元論はデカルト(1596-1650)と共に出現したが、フランシス・ベーコンにおいてはまだ意識されていなかった

ベーコンは理性主義と経験主義ともに否定し、経験主義者は蟻、理性主義者は蜘蛛のようなものだが、真の科学者は花から得たものを新しい物質に変える蜂のようなものだとした

彼は物質の均質性や法則の同一性を信じていた

しかしその理解は不十分で、物理科学における数学の重要性については気付いていなかった

理論上、自分自身をそこから厳密に遠ざける科学的方法における経験主義的な傾向と彼を同一視とするのは間違いだが、実際には彼は常に質的な差異の分類を量的な説明に置換するという経験主義的なところに陥っていた










0 件のコメント:

コメントを投稿