2019年1月28日月曜日

死の技術



新しく届いたタイム誌にこの記事があった
「マインドフルネスの父」という言葉があったので読むことにした
92歳になるティク・ナット・ハン(Thich Nhat Hanh, 1926- )さんのお話である

非常に有名な方のようである
現代におけるもっとも影響力のある精神的リーダーのお一人とのこと
病んでおり、次の生に向けた移行のために故国に帰ったとある
40年もの間、亡命生活を余儀なくされていた
2005年と2007年にも帰国して宗教活動をしている
この時は共産党政権に免罪符を与えるものだとして批判された
今はフエのパゴダで、存在から解放されるのを待っている
語ることも息をすることも難しくなっているようだ

ハンさんは両親の反対を押し切ってこの道に入った
しかし、仏教学校の古めかしい教育を嫌い、サイゴン大学で科学を学ぶ
コミューンも作っている
1961年から1963年までコロンビア大学やプリンストン大学で教えた後、帰国
反戦の活動家になるが、南ベトナム軍が彼の命を狙ってコミューンを攻撃する
1966年、戦争が激しさを増すと、ベトナムを離れ世界19か国に平和を訴える遍歴に出る
この間に彼の評価が世界的に高まったようである
1982年にはフランスのドルドーニュの田舎に落ち着き、Plum Village Monasteryを創設
そして、再び故国を見ることができたのは、2005年のことであった

彼の教えは、長期間の鍛錬を必要とするものとは異なり、日常の中で可能なものである
マインドフルネスの言葉にもあるように、一瞬一瞬に意識を集中すること
そうすることにより、心配事から解放され、無限の感覚が生まれてくるという
これがストレスの中にいる現代人に受け入れられる理由だったのだろう
アメリカでは1200億円の産業になり、全米に2,450の瞑想センターがあるという

この記事は「社会」という大きなくくりの中に入っている
そのためか、個人の内面を扱うよりは政治との関連が軸になっているように見える
その意味では、記事のタイトルはやや deceiving だろうか
少なくともわたしが期待した内容は少なかった





  Tu Hieu Pagoda, Hue, Vietnam






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