2020年3月30日月曜日

現象学とは(4)



それでは、現象学で使われている方法とはどんなものなのだろうか
それは想像変更(variation imaginative)の方法である
想像力により、枠組みを変え、現象に異なる角度からアプローチしてそこに意味を見出すことだろうか
分析する際、ある特徴を除くが、そうすることにより対象をそのままの状態にして置く
しかし、他の特徴を除くと対象を破壊するだろう
そこから、その対象の本質的な何かを的確に指摘したことを我々は知るのである

それが種々の特徴が対象の本質に属しているという「本質直観」(intuition eidétique=形相的直観←エイドス)に導く
この本質は、本質を把握する中で一つのことを構成する意識の行為にしばしば依存している
従って現象学で最も重要なことは、「もの・こと」の成り立ちについての意識的活動の本質を抽出することである
それは知覚であり、記憶であり、判断などである

我々は「必然真理」(アポディクティックな真理)に辿り着く
それは必然であると見做され得るものである
例えば、人間は過去と未来を持つということ
あるいは、すべての知覚可能な対象は、ある時点で現れたものとは異なる面を持つというようなこと

我々は意識の行為により意図的に世界を対象とする者として、世界を超越する「超越論的自我」を発見するのである
自我が取り結ぶ関係は「間主観性」である
主観を持つ個人として、我々は公共の世界をどのように共有すればよいのだろうか

現象学者は、身体、言語、コミュニケーションの他のやり方の役割を検討する
この点は特にメルロー・ポンティにおいて重要である
インガルデンのような人は、美的経験などの経験の特別な形をよく研究してきた
また、どのように芸術作品が特別な経験に力を与え、同時に特別な経験が作品を生み出すのかについても研究した


(つづく)









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