2017年7月28日金曜日

清水幾太郎の 『三つの生命』 をパラパラと



本日も用事があり、パリに出ている
メトロにはなぜかトゥールのポスターが出ていた
目に触れた限りでは4種類あった
上の写真は以前にも取り上げたことがある今年開館したばかりの美術館 CCCOD である
Centre de Création Contemporaine Olivier Debré
そのイメージがよく捉えられて、感じよく仕上がっている
当然なのだろうが、トゥールよりは視覚を刺激するものが多い

今朝、出掛けに目に入った清水幾太郎の『三つの生命』(鱒書房、昭和23年)を手に取る
副題が「プラグマティズムの立場から」となっているエッセイ集だ
清水と生命という組み合わせが意外だったからだろうか
車内で少しだけ目を通してきた

冒頭、デューイの次の言葉が引用されている
「出來事の組織の中で、吾々の努力によつて變じ得る小さな部分は、世界の他の部分と連續してゐる。吾々の庭の境界は吾々の隣人の世界と連なり、更に吾々の隣人の隣人の世界と連なる。吾々の為し得る小さな努力は、やがてこれを受容し且つ支持する無限の出來事と結びつくものである。この無限の結合を含む意識が理想である」
これは古代のストア哲学の教えそのものである
同様の主張は今日さらによく目にするようになっている

それから、ご本人の専門でもあったオーギュスト・コントについてのお話もよく出てくる
清水もコント同様、神学的段階や形而上学的段階の問題点を指摘している
この見方は実証的段階が確立する前には通らなければならないものだったのかもしれない
特に、フランス革命や第二次世界大戦の後では尚更強く感じたのではないだろうか


帰りのIntercitésは満員であった
こんなことは珍しい
多くの乗客はシャンボールで降りていた
観光シーズンたけなわといったところだろうか







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