2018年12月5日水曜日

シンポジウム「医学における人間」を聴く



今日は朝からディドロ大学に出かけた
ビュフォン講堂で開かれた「医学における人間」と題されたシンポジウムを聴くために
医療現場ではどのようなことが問題になっているのか、何を問題にしているのか
そういう疑問があったからだろう
午前中の話から少しだけ

今回のタイトルは、現在進行中の共同プロジェクトの名前でもあるようだ
医療に関わる人たちの学際的で国際的な研究と実践がテーマのようである
18世紀辺りまでは患者が個人であることが隠されていた
今日では医療の個別化が進み、主体化も問題になり、新しいケアの概念が求められている

特に問題になっていたのは、病気の慢性化にどう向き合うのかである
例えば、小児白血病のような場合、子供から大人になるまでをカバーすることがある
その移行にどのように対処するのか
人生を病気と共に生きなければならない人がいる
病気と共にある人生のよい形とは何を言うのか

移植患者は、移植を外科的で形而上学的な冒険だと捉えているという
前と後があるのだ
それが人間の再生につながることもあるが、負い目の感情が生まれることもあるという
創造的であると同時にトラウマになることがあるということだろう
慢性疾患患者の場合には、明確な前と後がないようにも見える
このような問題を扱う医学人文科学のようなものの必要性も問題にしているようであった

議論になると、現場の経験から生まれた問題がテーマになるので細かい話になる
そのような場を具体的にイメージできないわたしのような者は付いていけない
もう少し哲学的な考察に重点を置いた発表があってもよかったように思う
ただ、プロジェクトのための予算獲得が背景にあるようなので難しいのだろうか
明日も参考のために出てみることにしたい

久し振りのメトロの駅も大学界隈も懐かしいものに感じられた
しかし暫くすると、以前からここにいるような気になってくる
この感覚は不思議だが、悪いものではない





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