朝、木曽路を旅するフランス人親子の20年前の番組が流れていたので観る
いろいろ考えさせられる場面もあり、よい番組だった
番組が終わりに差し掛かった時、なぜか島崎藤村の『破戒』が頭に浮かんできた
早速、学生時代の本棚に向かうと見つかり、可能であれば読んでみたいと思っている
その時、その近くにヒルティの『眠られぬ夜のために』があり、紙切れが挟まっているのが目に入った
興味津々で開いてみると、次の言葉が並んでいた
「日の出に対して信心を持つんだ。一年後のことや十年後のことなど考えるんじゃない。今日のことを考えるがいい。お前の理屈など捨てちまうんだ。・・・生活に無理をしてはいけない。今日に生きるんだ。一日一日に対して信心を持つんだ。一日一日を愛するんだ。一日一日を尊敬するんだ。特に、それをしおれさせちゃいけない。それが花を咲かせるのを邪魔しちゃいけない。きょうのように、灰色で陰気な一日でも愛するんだ。心配することはない。ごらん。今は冬だ。すべてが眠っている。強い土地は目をさますだろう。強い土地でありさえすればいい。強い土地のように辛抱強くするんだ。信心を持つがいい。そしてお待ち。もしお前が強ければ、すべてがうまくいくだろう。たといお前が強くなく、弱くて、成功しないとしても、それはそれなりでまた幸福でなければならぬ。もちろんそれ以上にはできないからだ。それなのに、なぜ、それ以上のことを望むんだ?なぜ自分でできないことを悲しむんだ?自分でできることをしなければいけない。自分のなしうる限りをね。それでも、誰よりも多くのことをしてるのだよ。英雄ってのは、自分のできることをする人だとわしは思うんだ。ほかの人たちは、それをしないんだよ。」(『ジャン・クリストフ』、新庄嘉章訳)
「そしてお待ち」の一文に赤線が引いてある
それはどうしてだったのか
ヒルティの本は大学に入った年に買ったことになっている
『ジャン・クリストフ』は同じ年の夏の暑い日に購入し、秋に読み終わったとのメモあり
18歳当時の筆跡を見るのは不思議な気分である
このメッセージの意味するところも考えてみたいものである
もうかなりの間待ったのだから
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