2022年6月17日金曜日

ゲーテの言葉から(3)


























昨日のお昼は老舗レストラン(大正8年創業)を2年振りに訪問

高校時代の同期生が三代目として店を守っている

大学では美学を学び、趣味で声楽をやり、今でもホールでコンサートを開いているという

お店はレトロな感じで、ドイツリートが流れていた


お仕事の合間にいろいろな話を聞き、発見があった

同期生の消息に詳しく、普段は頭に浮かばない人たちが次々に現れ、記憶を刺激された

学生時代は大人しく芯が強そうだった女性が、大学に入って見違えるようになったとのこと

どうようになったのかは分からないが、人間って変わるんですねぇという言葉

わたしも驚いた

それから、学生時代からエネルギッシュに動き回ってた人は倒産も経験したが、これから大きな会社を始めると言って張り切っているという

このような話が続いて、興味が尽きなかった

小学校から中学、高校に行くに従い多様性は減ってくる

それでも高校時代にはまだ面白い人間が沢山いたように思う

確かに、人間というのは面白い存在だ

忘れていた過去が間違いなく存在したことを確認させてくれ、恰もタイムマシーンに乗って異次元に入り込んだようなお昼時であった



さて、今日もゲーテを続けてみたい


「フランスの憲法は国民自身にひじょうに多くの退廃した要素があるので、イギリスのとはまったく違った基盤に立っているのだ。フランスでは、あらゆるものが、賄賂を使って手に入れることができる。実際、あのフランス革命にしたところで、まったく賄賂によって動かされたのだよ」(1824.3.29)



「ドイツ人は一般に哲学的な思索が邪魔になっているから、文体の中へしばしば抽象的な、不可解な、冗漫な、とりとめのないものがまぎれこんでくるのだね。彼らが、哲学上の何らかの流派に深入りしていればいるほど、彼らはうまく書けなくなる。しかし、ドイツ人の中でも、実務家とか、道楽者といったような、実際的なことにだけしか関係していない連中となると、文章をじつにうまく書く。シラーの文体にしても、彼が哲学しないばあいは、きわめて華麗であり、効果的だ」

「イギリス人は、おしなべてみな、生まれついての雄弁家か、現実に目を向ける実務家だから、上手に書くね」

「フランス人は、文体を見ても、彼らの一般的な性格がまざまざと現れている。彼らは、社交的だから、いつも話しかける聴衆を忘れたりはしない。彼らが明晰であろうとするのは、読者を納得させるためだし、優美に書こうとするのは、読者に気に入られたいためなのだ」(1824.4.14)


(山下肇訳)








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