2022年9月10日土曜日

コリングウッドによる自然(8): ピタゴラス学派(1)






























 Pythagoras of Samos (c.570 BC– c.495 BC)




今日は何という快晴であろうか

朝の瞑想の時間はまさに天国であった

夜は中秋の名月を仰ぎ見ることができるという

わたしのカメラでは綺麗に撮ることができないのは残念だが、この目で味わうことにしたい

ところでこの季節、わたしにとってはクリスマスソングを聴く最良の時期になって久しい

今季初めてたっぷりと味わうことができた

さて、コリングウッド(1889-1943)による自然だが、今日からピタゴラス学派に入る



ピタゴラスはギリシア思想史上最も重要な人物の一人であるが、最も謎めいた人物の一人でもある

一つだけ時期のはっきりしたものがある

それは、紀元前532年(?)に始まる独裁者ポリュクラテスに反抗して生地サモスを離れ、南イタリアに移住したことである

ある伝承によれば、カラブリアクロトンに落ち着き、生活上の厳格な戒律を持つ教団を創設した

それは、宗教的、哲学的、科学的機能を持つものでもあった

サモスで青春時代を過ごしたピタゴラスは、タレス(c.624 BC-c.546 BC)が死ぬ前には生まれていたはずである

そして、アナクシマンドロス(c.610 BC-546 BC)、アナクシメネス(585 BC-525 BC)とは重なっていた

従って、直接の教えを受けていないとしても、イオニアの自然学の影響は受けていたものと想像される


ピタゴラス学派の世界像は、アナクシメネス同様、蒸気から成る無際限な3次元の大海に支えられ、そこから滋養を吸収しているとした

それは蒸気の円環運動の中心で、そこに球状の大地がある

この円環運動には、対立物を発生・分離させる働きがあるとした

ピタゴラスは、そこからすべてのものが構成されるという第一物質を問うことの問題点に気付いていた可能性が高い

その枠組みでは、具体的な事物に似たものを想定することができず、固有の性格を欠くものでなければならない

アナクシマンドロスが第一物質を「アペイロン」(無限定で無際限なもの)としたように

しかし、第一物質を固有の性格を持たないとすれば、アナクシメネスのように、希薄化・濃縮化により事物が生じるとしなければならなくなる


ピタゴラスは、宇宙論と幾何学の成果との間にある関係があり得ることに気が付いた

幾何学上の図形は質的な差を持っているが、すべては空間的図形なので質料的な特殊性はない

ただ、形相的な特殊性を持つに過ぎない

このことから、自然における質的相違は、幾何学的構造の相違によると考えたのである

タレスによれば、磁石も虫も水であるが、なぜこのようなような違いが生まれるのかの説明できなかった

しかし、自然の事物たらしめるものを始原物質に求めることなく、幾何学的構造すなわち形相に求めれば説明可能になる

ピタゴラスによる革命は、事物の行動様式を、構成される実体との関わりで説明するのを放棄し、形相に関係させて説明するようにした

形相とは事物の構造であり、数学的に処理することが可能になった

つまり、イオニア学派は不可知的な原理に訴えて世界を説明しようとしたのに対し、ピタゴラスは数学的真理に頼ったのである

これにより、明晰かつ判明な認識が可能になった










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