2020年1月26日日曜日

哲学と哲学史(2)



今日も終日快晴
午後から街に出るもデモのためトラムが止まっていたため早めに戻った
今日も「哲学と哲学史」の続きを読みたい

歴史的再構成というジャンル(B)が最も相性が良いのは、哲学と哲学史が独立しているという主張(1)である
哲学的概念の歴史的再構成は哲学史である
これは哲学に対して自立している
なぜなら、過去の哲学者の知が現在の問題をどのように解決するのかを示すことが目的ではないからだ

ローティによれば、このやり方は二つの形を採る
一つは、研究する著者の時代のコンテクストや行われていた論争を強調すること
アラン・ド・リベラの言葉を使えば、「哲学的考古学」となる
もう一つは、哲学体系の研究を中心にした歴史をまとめること
マルシャル・ゲルーV・ゴールドシュミットなどの仕事を指すために用いられた「構造的歴史」に当たる

哲学的考古学は、哲学的主張が属する領域の中でどのように生まれたのかを理解するものである
基本的な考えは、文章は他の作品から借用した文章によって解釈することである
文章を構成する言葉を参照して解釈することではない
過去の哲学的主張は我々が問う問題に対する回答ではない
つまり、過去の哲学者が歴史を超えた不変の問いに対する回答を出したという視点はない
その哲学者が提出した問いに導いた問題意識の地平が何であったのかを明らかにすることである

もう一つは、哲学史における構造的方法である
哲学者の教義は個別に理解すべき主張の合計ではない
それは関係性を持つ体系で、全体への参照なしには理解できないものである
ある著者のテクストを読むということは、その体系全体の中での意味を理解することである
テクストが表現する思想よりは構造に重点を置く
歴史家の対象はテクストであり、著者が考えたことではないのである

いずれの場合も哲学史が哲学的テクストの科学になっている
現代的な哲学的問いに対する回答を探すのではなく、テクストの中身を明らかにすることになっている
勿論、そうすることにより哲学的に考え、現代的問題に近づくことができる
しかし、そこには時代錯誤や内容の改変の危険性がある
結局のところ、現代哲学と哲学史は別物で、独自に発展可能である


(つづく)







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