2020年5月23日土曜日

哲学における論理学の役割(20)




論理学の哲学と哲学的論理学(3)

ここで、哲学的論理学の問題点の一例を挙げたい

わたしが「ボヴァリー夫人は夫を裏切った」と言う場合、それは真か偽か、真でも偽でもないのか
改めて、それは意味論の問題である
今回は、問われているのが虚構の記述の問題だということである

その記述に真理の価値はあるのか
もしそうだとすれば、その根拠はどこにあるのか
存在しないが真実味がある範疇や状況なのか
 「金の山」や「四角い丸」についてアレクシウス・マイノングが提示したように
ボヴァリー夫人は夫を裏切った」という発言を理解する人の頭の中にある考えなのか
そうだと言えるが、「フローベールの小説において」と加えるならば、ということではないだろうか

検討すべき他の可能性は、まだ多数存在している
架空の発言は根拠がなくても意味を持つ限りにおいて?
(なぜならそれは何物にも基づいていないから)
これらの解決にはそれぞれ長所と短所がある

あるものは、ボヴァリー夫人に関して我々が真か偽を言うことを可能にするように見える
しかしそれは、奇妙な現実の存在を仮定することによっている
 ボヴァリー夫人という架空の存在やボヴァリー夫人が夫を裏切ったという考えなどの
しかし、我々はそれなしに済ますことができるだろうか
 「ボヴァリー夫人は夫を裏切った」のような発言が何も言っていないことを肯定することなく

このような発言の論理的、哲学的解析は、意味論的、存在論的問題及び美学と芸術の哲学の問題を呼び込むことが分かる
そこで提起されるのは、虚構の問題である









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