2020年5月11日月曜日

哲学における論理学の役割(9)




フレーゲ、あるいは新しいアリストテレス?(3)

算術の基礎』において、フレーゲミルカントに由来する20世紀後半の哲学的な主要な流れを批判している
フレーゲは基数という概念の解析を展開した
「火星には二つの月がある」のような命題は、「火星の月」という一つの概念についての主張が含まれている
この命題は、「火星の月」という概念に該当する正確に二つのものがあることを主張している
これは、概念とは何かの新しい理論に導く

算術の基礎』の53節では、存在を主張することは数字のゼロを否定する以外の何物でもないと説明している
存在は「概念の特性」であることを彼は証明した
概念の解析により、神の存在を肯定すると主張する存在論的証明
それは、アンセルムスデカルトにおけるように「目的を達していない」

換言すれば、神の概念からその単一性もその存在も生じないということである
従って、数の概念の解析は数学の哲学、より正確には最初にフレーゲの関心を引いた数学の哲学のための問題ではない
そうではなく、概念というものの概念について一般的な哲学的省察をするために特化された領域を構成している

これは前述したことの一例でもある
すなわち、哲学とはしばしばある領域で行われた解析や主張された命題から離れた結果を見ることである
フレーゲにとって、真理が論理学の目的であるとする
その場合、真理の認識が述部(真である)によって言葉で表現されるのではない
そうではなく、文章が表明される際の断定的な力の中に見出されるのである
これは、真理の哲学的概念(と特に定義しがたいその性質)について多くの意味を含むものである

(つづく)









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