最近のNature誌から、新型コロナの今後の見通しに関係する記事を読んでみたい
世界的にワクチン接種が進められているが、一体パンデミックはいつまで続くのか、未だに見えてこない
ワクチン接種や感染によりSARS-CoV-2に免疫を得た人が60-70%以上になれば集団免疫が成立すると言われる
しかし、この割合を実現するのは難しいという見方が一般的になってきた
それは、これから触れる理由による
問題の第一は、ワクチンの効果に関するものである
ワクチンは重篤な症状が出ないようにするものとされている
しかし、感染させないようにするものではないだろうし、ウイルスを拡散しないようにするかどうかは分からない
第二に、ワクチンの分配の問題がある
世界的に見ると、国により大きな隔たりがある
最も進んでいるのはイスラエルで、ワクチン接種が終わっている人が半数、1回接種している人を入れると60%に近い
若者は拒否する人が多いので、当局はピザとかビールで釣っているようだ
その一方で、隣国のレバノン、シリア、ヨルダン、エジプトなどは1%にも達していないという
このような状態では、イスラエルも安全とは言えないかもしれない
第三は、変異株の問題である
感染力が強い変異株がいろいろ出てきているが、ワクチンに対する抵抗性があるかもしれない
ブラジルのマナウスでは、昨年6月までに人口の60%以上が感染し、その後感染がスローダウンしたという
しかし、今年に入り再び感染拡大が見られたが、それは変異株によるものであった
一つの株に集団免疫ができた場合、ウィルスは免疫のある人に感染できるように変異する選択圧が加わる可能性がある
ワクチンを接種した場合にも同様のことが起こる可能性は否定できないのではないか
第四は、免疫の持続期間の問題である
感染した後に出来る免疫はどれくらいの間有効なのだろうか
他のコロナウイルスの場合、免疫は減弱する
ワクチンの後はどうなのか、ブースターが必要になるのか、などの問題が残されている
第五には、ワクチンを接種したことによる行動の変化がある
日本では比較的よく守られているようだが、マスクやソーシャル・ディスタンスが蔑ろにされる可能性がある
アメリカのテキサス州などは、マスク着用の義務付けをすでに止めている
人の接触機会が一段と増える可能性がある中、以前と同様の注意が必要になるだろう
ワクチンで集団免疫を成立させるのは難しいかもしれないが、重症化の危険がある人を病気から護ることはできる
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