2017年1月5日木曜日

バーニー・サンダース氏の考えを聴く



本日も終日曇り
グラウンドでは小学生のラグビーの授業が始まった
寒さをものともせず、走り回っている

このところ外の情報には疎くなっていて、アメリカの状況も例外ではない
昨年、アメリカの大統領選挙でトランプ氏が選ばれ、いろいろな論評が飛び交っていると思われる
これまで読もうという気にはならなかった
しかし、今日の午後、バーニー・サンダース氏の選挙後のインタビューが突然現れた
興味本位で観てみたところ、今回の選挙の本質と現在のアメリカの問題が見えるように思った
アメリカ人のエネルギーを思い出させるものでもあった
フランスにいると遠い世界になっていたが、急に体に活が入るような感覚が襲ってきた

最初に観たのは、こちら
興味深かったので、続けて4-5種類の番組を観ることになった
その中で見えてきたことを簡単にまとめてみたい

彼の熱の入った語り(訴え)から、アメリカ時代を思い出し、いろいろなことを考えさせられた
彼がなぜあれだけの選挙戦をやり、今もこのような熱気の中にいるのかが分かったような気がした
まず、彼の言葉と語りである
そこには熱がある
お題目で唱えているのではないので、相手に直接届く言葉になっている
人々と同じ目線で問題解決に向かいましょうという真面目な姿勢が見える
それが民主党のエリートがやってきた(こなかった)ところから炙れた人に響いたのではないか
お相手のサラ・シルバーマンさんが言っていた意識的に生きている人の言葉だからなのだろうか

大企業や金持ちが政治を動かすようになり、これまでの中間層が著しく減少した
やり方は酷いものではあったが、その不満を掬い上げることに成功したのがトランプ氏であった
彼はウォールストリートと闘い、職を確保すると言ったらしい
オバマに投票した人の中でクリントンではなくトランプに投票した人がいたのもそのためだろう
それだけ痛めつけられていると感じている人がいるということになる
クリントンはウォールストリートと縁を切ることなく、問題を解決しようとしたらしい
ただ、閣僚人事を見ると、公約?が本意なのかどうか注視しなければならないことが分かる 

そして、マスメディアも大企業が所有し、広告主にも支配されている
そこでは目を引くことは取り上げられるが、重要な問題は論じられなくなる
独立したメディアが求められる所以である

その他、教育の無償化や健康保険についても指摘していた
マイケル・ムーアの『シッコ』で、アメリカにある社会主義に対する極端なアレルギーを知った
皆保険などの平等な政策に異常なほどの抵抗感があるのに驚いた記憶がある
サンダース氏は保険に入ることができず、苦しんでいる人がいてよいのかと問い掛けている
そのような国は先進国でただ一つだとも指摘していた

これまでの民主党がいわばエリートの側に立ち、政策を立てていた
ヒラリーはそちら側だったのだろう
彼は民主党を離れているが、党の再建に関わるアウトリーチ活動の責任者に指名されたようだ
これまでの方針を見直し、多くの人が関わるようにすることをテーマに据えている
今や民主党は国レベルだけではなく、州レベルでも劣勢にある
民主党の中身を大きく変え、中間層に絞って語り掛けなければならないと考えている

政治的状況もマスメディアの状況も教育の状況も本質的には日本と余り変わらないように見える
ただ、保険制度だけは問題はあるのかもしれないが、アメリカよりはよさそうである
サンダース氏はわれわれの政治参加は選挙の時だけではないと考えている
力を持っているわれわれが塊を作って声を挙げれば、必ず政治家を動かすと信じている
もう75歳になっているが、その活力は全く衰えていない
久し振りにアメリカのダイナミックな政治の一断面を見る思いであった





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