2019年2月11日月曜日

ハイテーブルディナーでの話題から



トゥールは朝方は雨模様だったが、午後から太陽が顔を出してくれた
向かいのグラウンドからは元気のよい声が聞こえてくる
旅から帰り落ち着いてみると、直近のために隠れていたケンブリッジでの記憶が蘇ってきた

ディナーで私の向かいになった物理学者が、世界共通語に関して興味深いことを言っていた
第二次大戦後、自国の言葉を世界共通語にしようとしていた国があるというのだ
それがドイツとフランスだという
17-8世紀であればフランス語は共通語に近いものがあっただろう
その夢よもう一度ということだったのだろうか
特に驚いたのは、あれだけの敗戦を喫したドイツもそう考えていたことである
聞き間違いかと思い確かめたが、そうだという

国も我々と同じ有機体だとすれば、そこには意志が生まれる
最近の疑問として、国の意志というようなものが一体どこから出てくるのかということがある
それがどこでどのように決められたのかも知らず、多くの人はその枠の中で踊ることになる
その恐ろしさには目もくれず、ひたすら歩むことになる


デザート・ワインの会では、オスロで運動生理学を研究している方が隣りになった
デンマーク生まれでノルウェーに移住したが、まだ国籍は取っていないようだ
1月から半年の予定とのことだが、すでに最高の時間を過ごしているという
日常の仕事に追われているオスロを離れ、静かな環境で自由に思索し行動できるからだろう

最新の拙エッセイでは、日常性の中に精神性を如何に取り込むかという問題について触れた
私の場合、日仏の移動によって務めることなくそれが可能になっていると感じている
彼は、二つの生活を持つことの重要性を当然のことのように話していた
そして、現代では精神生活を充実させることが難しくなっていると感じていた










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