2021年4月30日金曜日

4月を振り返って


















今月も振り返りの日を迎えた

定常的に長期プロジェと新規プロジェを抱えているが、週における割り振りを変えることにした

今のところ問題なく進んでいるので、当分の間はこの線で行きたい

ただ、長期プロジェに関しては、注ぎ込んだ時間の割には進み方が思わしくない

これまでも触れたが、どんな小さなことでもその奥には広大な世界が広がっているからだ

その中でいくらでも時を過ごすことができるのである 

それをどこで止めて纏まりを付けるのか

特に明確な締め切りがない場合、その判断は難しい


世は昨日から連休に入ったという

特に影響を受けることはないのだが、全体がお休みの雰囲気になる

この際その中にどっぷりと浸かり、長期プロジェの一塊を纏めることに集中してはどうか

そんな考えが浮かんでいる

その結果は来月の振り返りで明らかになるだろう

 


 

 

 

2021年4月29日木曜日

待ちの状態から留まる状態へ



















昨日は用事がありJRを使った

驚いたことに、みどりの窓口が閉鎖

理由を聞いたところ、コロナが出たので、とのこと

身近にも忍び込んできていることを感じる


継続にはなったが用事も終わり、町を散策

最近顕著になっているのは、どこかに向かうための待ちの状態から留まる状態への変化だろうか

これまで目が行かなかったところにも注意が向き、その中に美しいもの、面白いものを発見できるようになっている

そのことを再確認していた

 




2021年4月27日火曜日

街を勝ち取る















今朝、カルカソンヌの映像が流れていた

街の幼馴染のご老人たちがベンチに集っているところだった 

向こうの様子を見ていると、街の空間を自分たちのものとして「使っている」ことが分かる

街に疎外されていないというか、街を勝ち取ったという感じだろうか

その感じは悪くない





2021年4月26日月曜日

遠くて身近なフランス





 










この週末、用件がありパリから電話がかかってきた

それでなくても駄目なフランス語だが、最初向こうが何を言っているのか分からなかった

この1年で体が日本に馴染んでしまい、フランス語も耳にしていなかったこともあるのだろう

いずれにせよ、最終的に一件落着でホッとした

 

このところの日仏のコロナの状況を見ると、少なくとも後1年は往復は無理だろうと思っていた 

往復したいとは思わないだろうという意味で

しかし話し終わった後、遠くになったと思っていたフランスだが、まだ身近にあることを感じた

これも不思議な感覚である






2021年4月25日日曜日

新たな週間スケジュール














今月初め、長期プロジェに関連した新しい短期のプロジェを二つほど思い付いた

しかしその後、手を付けた形跡がない

このままでは現在進行中の新旧のプロジェが終わるまで手が付けられないことになる

しかもその終わりはまだ見えていない

 

今朝、紫煙を眺めている時、新しいアイディアが浮かんできた

現在はウィークデーとウィークエンドに分けて、長期の旧プロジェと新プロジェを当てている

これはいままでのところ順調に進んでいる

短期間に集中しなければならないので、これまでのように一つのことにどっぷり浸かり停滞することがない

このやり方で、最新のプロジェを1週間の中に組み込むのである

3日、2日、2日くらいの割合でそれぞれに集中するというアイディアである

これまでやったことがあるのは1日に複数やることだが、これではどれも前に進めることができなかった

理由の一つは、切り替えがそんなに簡単にはできなくなっていること

二つは、たっぷりとした時間が目の前になければ思索に向かう意欲が削がれることだ

兎に角、暇な時間が最も重要で、それがないのでしずれも駄目になってしまった


ということで、今週から新しいスケジュールの様子を見ることになる





2021年4月24日土曜日

新しい環境で新しいプロジェ








 

 

 

 

 

 


今日は朝から遠出と決め込んだ

数日前に開いた場所があるとのことで、早速覗いてみることにした

途中、標識が地味なので通り過ぎたり、通り過ぎるところだったりした

目的地は「イコロの森

アイヌ語のイコロとは宝物

まさに静かで開放的な自然をほぼ独占状態

何という贅沢か

その中で新しいプロジェに当たることにした

緑や花はまだ少なくやや寒いが、良い時間になりそうな予感がする
















2021年4月23日金曜日

COVID-19: カステックス首相らによる新たな発表







 


 



 

 

昨夜、カステックス仏首相ほか関係閣僚が記者会見を行い、新型コロナウィルス感染対策等について発表

大使館によるまとめは以下のとおり

 
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1 感染状況

・感染状況は改善している。10日ほど前から感染が減少傾向にあり、この1週間で1日の感染者数が17%減少し、本日の感染者は約3万人。よって、第三波のピークは過ぎたように思われる。
・しかし、慎重でなくてはならない。いわゆる英国の変異株は感染力が高く、11月の外出制限時と比較すると、感染減少までに2倍の時間がかかっている。
・重篤な入院患者は約7,600人であり、そのうちコロナ感染者は約6,000人である。他方、病床数は2倍となり、重症患者の数は数日前から横ばいになっているため、ピークは過ぎたと思われ、数日以内に減少していくだろう。

2 各種制限解除の目安

・5月3日(月)以降、日中の外出制限を解除できる可能性がある。
・5月中旬に商店、いくつかの文化施設、スポーツ施設、テラス等の再開を目指すが、これは最終決定ではない。また、地域ごとの対応になることが考えられる。段階的に、慎重に、漸進的にに実施しなければならない。
・19時以降の夜間外出制限の解除の有無も5月中旬に判断する。

3 ワクチン

(接種状況及び対象者)
・今週末までに約1,400万人が一回目のワクチンを接種することとなり、毎週約250万人がワクチンを接種できている。
・スケジュールは変わらず、一回目の接種を受ける国民が、5月中旬までに2,000万人、6月中旬までに3,000万人に至ることを目指す。50~60歳であれば、5月中旬からワクチンセンターでの予約が可能になる。
・遅れていたワクチンは届き始めており、5月初めから6月末までに追加的に700万回分以上のファイザーのワクチンが到着予定。
・孤立している高齢者にワクチン接種の案内をすべく、市長や協会等と協力し、「aller vers」プロジェクトを開始し、35万人に対して電話をかけ、SMSや郵便でも情報を送付した。
・重度の免疫不全の人と同居している人も年齢にかかわらず4月26日(月)から接種の対象となり、55歳以上がアストラゼネカ、55歳未満はファイザー及びモデルナを接種できる。
・J&Jワクチンも55歳以上が接種可能になる。20万回分が薬局等に配布され、4月24日(土)から提供可能になる。
・子供のワクチンの接種については未定。
・50歳未満の重度の肥満の者のワクチン接種が可能になるか検討中であるが、5月中旬頃までには実施できるだろう。

(アストラゼネカ)
・アストラゼネカに関し、モデルナやファイザーと同様の効果が得られることが確認されているが、副作用も報告されていることから、フランス国内では接種を55歳以上に限ることとした。
・非常に稀に血栓が生じる可能性があるが、100万人に約5人の確率である。大西洋を横断するフライトに搭乗する場合に血栓ができる確率の方が50倍高い。
・ストックのうち4分の3が既に使用されており、本日も5万人以上の国民が接種している。

4 検査

・感染拡大防止のために、(1) 個別の診断においてPCR検査と抗原検査で感染の有無を確認し、(2) 感染者との接触者等でなくとも、唾液検査及び自己検査を用いて(市中)感染者がいないかも確認している。唾液検査や自己検査はPCR検査や抗原検査に代わるものではなく、自己検査の陽性結果はPCR検査で確定されなければならない。また、自己検査の陰性判定が正しくない可能性もあるため、陰性判定をもって感染防止対策を怠ってはならない。4月12日(月)から自己検査が薬局で購入できるようになった。

5 学校

(学校再開)
・4月26日(月)よりすべての学校が再開される。
・幼稚園と小学校については登校が再開され、中学校と高校については、4月26日(月)から一週間は遠隔授業を実施し、5月3日(月)以降登校が可能となる。
・高校については半数ずつの登校となるが、特に感染状況が悪化している15の県(イル=ド=フランス地域圏の8県、ノール県,、エーヌ県、オワーズ県、サルト県、ロワール県、ローヌ県、ブーシュ・デュ・ローヌ県)では、中学校の第4学年と第3学年についても半数登校とする。

(衛生措置)
・6歳以上の児童のマスク着用や2メートル以上の距離の確保、1時間おきの換気など衛生措置を強化する。
・スポーツ活動を含め屋外での授業を推奨する。
・食堂では学級ごとの利用とする。衛生措置の詳細については、ホームページを参照されたい。
・学級内で1人でも感染者が出た場合には、学級閉鎖とする。

(検査)
・4月26日(月)より全児童生徒を対象に、保護者の同意のもと、学校において唾液検査を実施する。
・中学生については、学校での唾液検査か自己検査を実施する。
・15歳以上の生徒については、5月10日(月)から夏休みが始まるまで学校内で週に1回の自己検査を実施する。
・教職員については、無料の検査キットを配布するので週に2回自宅で自己検査を実施する。
・来週から唾液検査を週に40万人に対して実施、5月中頃までには(週に)60万人を目指す。

(試験)
・ブレヴェとバカロレアは実施され、口頭試験と哲学の試験は対面で行われる。
・高等教育機関の6月の試験も対面で実施される。選抜試験も同様である。
・5月のBTS(職業訓練校)の試験も実施される。病気で受けられなかった生徒や不合格になった生徒は、7月上旬に追試が実施される。

(スポーツ活動)
・屋外でのスポーツ活動は引き続き実施可能である。

6 出入国制限

・4月24日(土)からブラジル、アルゼンチン、チリ、南アフリカ、インドから到着する者に以下の措置が適用される。
(1)フランスに入国を許可されるのは、仏国民(とその配偶者及び子供)、フランスに主たる住居を有する欧州国民または第三国の国民のみ
(2)(a) 出発前36時間以内(これまでは72時間以内であった)のPCR検査の陰性証明書、または、(b)出発前72時間以内のPCR検査の陰性証明書及び24時間以内の抗原検査の陰性証明書
(3)仏到着後に、空港から(市内に)出る前の抗原検査
(4)搭乗前と到着後の、自主隔離の場所があることの証明
(5)到着後、県知事アレテによる10日間の自主隔離。隔離場所から必需品等を購入するための外出時間は10時~12時に限定。自主隔離の遵守状況の確認は警察または憲兵が実施。違反した場合の罰金は現在の135ユーロから、1,000~1,500ユーロに引き上げ
・4月24日(土)から、検査及び自主隔離の強化は、仏領ギアナから到着する者にも適用される。
・政府指定の隔離場所を設ける可能性を検討中。






2021年4月22日木曜日

カフェの時間



















朝の散策の効果だろうか 

今日も朝のセッションから気持ちよく臨むことができた

あるテーマを抱え、席に座り、それを纏めようとする時の気持ちは何と表現したらよいのだろうか

満たされた気分とでも言うのだろうか

この状態は、パリに渡って暫くして何かが終わった後にカフェに座った時に感じた気分と同じである

一つの経験を振り返り、纏め、意味などを見出そうとしている時である

なぜそうなるのか分からない

ただ、一つの内的空間に身を置き、考えを巡らせるという行為にはそういう気持ちにさせる何かがあるのではないか

それは何ものにも代えがたい時間である







2021年4月21日水曜日

COVID-19: サイファイ研の催し物中止のお知らせ















今日は少し早くスタートしたので、一日の時の流れがいつもと違うように感じた

それは良い変わり方ではあるが、なかなか前に進まないことに変わりはない


ところで、COVID-19の勢いが止まるところを知らないため、この春のサイファイ研の催し物を中止にすることにした

現状では、いつになったら対面の会議ができるようになるのか全く目途が立たない

ひょっとすると、それはこれからは叶わないのではないかという疑いも湧いてくる

自分が感染するかしないかではなく、感染が広がっていること自体が多くの問題の原因になっている

すべての人に個人を超えた思索が求められる時代に入ったということだろう

 






2021年4月20日火曜日

春を感じてのインプロヴィゼーション















本日も朝の日課となった散策へ

まだ体に馴染んでいないせいか、家を出るまでが大変である

一旦出てしまえば前に進むだけなので問題はないのだが、、

昨日・今日と海は風が強かった

 

午前中のセッションも昨日と同じ場所

そこに行くまでに2ヵ所に立ち寄り、小さな買い物

こんなインプロヴィゼーションは長らくご無沙汰だった

視界が開けたので、これからいろいろなところを探索してみたい

春を感じているようだ





2021年4月19日月曜日

もう少し辛抱を




















今朝は散策の後、新しい場所を探して落ち着いた

そこで再び長期プロジェに戻ってきた

しかし辛抱が効かなくなっているようで、相変わらずの進捗状態である

ただ、このようなことを繰り返しているうちに、全体が少し見えてきたような感じがする 

あるいは、ぼんやり見える全体を思い描いて、今のテーマについて書いているという感覚が生まれている

明日はもう少し辛抱したいものだ






2021年4月18日日曜日

20年の変容を辿る旅















昨日・今日と自らの過去を振り返り、その再構成をしていた

20年ほどの歴史には忠実に従うけれども、その組み合わせを工夫するというもの

それ以前とは違い、明確な意識の下に生活していたので、歴史を掘り起こすのはそれほど難しくない

ある意味では自分が目覚めた後のことで、2005年からのブログや10年前からのエッセイなどにもその記録が残っている

逆にこれほどの膨大な資料があるため、どれを選択するかによって見え方が変わってくる

そのことも含め、ゆっくり時間を取りながら、この20年における変容を辿ってみたい





2021年4月17日土曜日

そうは見えないところに美















まだ始めたばかりだが、朝の散策は心身に良い影響を与えているようだ

とてもそうは見えないところに美を発見する楽しみがある

どこか身のこなしも軽くなったような錯覚も生まれている

これは散策とは関係ないだろうが、町全体を使ってやろうという気持ちが芽生えてきた

日本に戻って1年になるが、特に昨年はテンポラリーの滞在という感覚が拭えなかった

実はフランス行きのチケットを2度ほどキャンセルせざるを得なかった

その間、いくつかの決まったところに顔を出してプロジェに当たりながら待っているという生活であった

それが少し変わってきたように感じている


ひと月ほど前から、ウィークデーは長期プロジェ、週末は場所を変えて新規プロジェに当たっている

これまでのところ問題なく動いている

その方が相互のプロジェ間に緊張感が生まれ、新鮮である

郊外などをドライブしていると、今どこにいるのか分からなくなる

その意味でも新鮮である





2021年4月16日金曜日

わたしの哲学の道になるか














今朝は散策に出ることができた

海岸まで出て、波の音を聞きながら1時間ほどをゆっくり過ごした

波の音が結構大きいことに気付く

形と色の発見がいくつかあったが、上の写真もその一つ

これがわたしの哲学の道となるだろうか

殺風景ではあるが、目を凝らすと見えてくる「もの・こと」があるかもしれない

午後からは現実世界に戻り、それからプロジェに当たることになるだろう

良い一日の始まりとなった





コロナの後は形而上学のパンデミックを















昨日の経験から積極的に歩く時間を作ることにした

一番いいのは朝だろう

そう考えた初日だったが、残念ながら雨

ということで簡単に諦め、近くまで用事を足すために歩くに止まった

明日以降に期待したい


ところで、日本の科学技術は優れていると言われていたが、コロナのワクチンを作ることもできないという声を聞いた

他の分野同様、日本の技術力も低下しているのではないかという見方である

これは個人的な印象でしかないが、個別の技術は十分にあるように見える

ただ、ワクチン製造のような場合には、手を動かす前に構想を立て、領域間の調整をするなど多くのことが求められる

そのような大きな絵を描くことができなくなっているのではないか

簡単に言えば、思考する力、構想力が貧弱になっている疑いである

 

勿論、国家主義的な企てに抵抗を示す人がいるのも理解できる

そのことも含めて議論があってもよいのではないか

真剣な議論も起らなくなっている

「もの・こと」を深く考えなくなっているのである

その底には、人間が持つ活力の低下があるのかもしれない


ところで、日本でも有名なマルクス・ガブリエルはこんなことを言っているという

コロナの後は形而上学のパンデミックが広がることを望む

18世紀以来科学技術が発展するようになり、人間は考えなくなってきた

その状態を変えなければコロナより危険なことになるとでも言いたいのではないだろうか 

一人ひとりが思考することにエネルギーを放出しなければならないのである

その心は「科学の形而上学化」が科学を超えて重要になるというわたしの主張とも重なるところがある






2021年4月14日水曜日

現実世界とのシームレスな移動















今日はいくつか用事があり、遠くに出かけた

言わば、現実世界における対応のためである

そのシークエンスを振り返ると、非常にスムーズに気持ちよく流れた

さらに言えば、その後の現実世界から精神の世界への移動もシームレスに進んだという印象である

問題は体の移動だっただろうか

もう少し体を使うようにしなければ、、

それがもう一つの感想になる



 



2021年4月13日火曜日

人類の努力の跡からこの世界の本体へ



















今日は新しい領域について調べていた

人類の蓄積を目にしていると、驚嘆の感情しか湧いてこない

この世界のことは隙がないほど調べられている

それでも最後にはまだ分からないことがあると言っている

本当にこの世界を理解し尽くすことなどできるのだろうか

それは到底無理だろうというのが率直な感想である

探れば探るほど、その先に暗い部分が見えてくる

それが世界というものの本体ではないのか

そう考えると、不思議な感覚の中に誘われるようだ

これは科学万能主義者に対する現在のわたしの回答でもある


今日読んだ中には事実の記載に止まらず、想像の羽を伸ばしているものもあった

何か新しい「もの・こと」を発見するのではなく、すでに発見されたことについて考えるやり方である

最近はそのような研究に惹かれるところ大である

科学の現場から離れて以来、わたし自身が同じようなことをやってきたからだろうか

 



2021年4月12日月曜日

見えない道が見えてきた















今日は週末の旅から長期プロジェに戻り、その中に入る

どんな問題でも入ると深いので、全体の調子を見ながらどこのレベルで止めるのかを考えなければならない


それとは別に考えなければならない問題が出てきた

現実世界のことは外的状況によって最終的には落ち着くべきところに落ち着くというのがこれまでの教訓である

ある意味で、自分ではどうしようもないことが多い

時間経過の中で現れる可能性の中で一番しっくりくる道を選ぶしかないだろう

今はその道が全く見えていない





2021年4月11日日曜日

ハンス・ヨナスによるダーウィニズム



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンス・ヨナスがダーウィン主義の哲学的側面について書いているエッセイがある

ダーウィンがどんな哲学を持っていたのかというよりは、進化論が齎した考え方の変化についてのものだ

まだ途中だが、その中に次のような言葉があった

進化論はプラトン主義に抗するものであり、唯名論実在論に対する勝利であった

中世の普遍論争において、普遍的な概念、形相は実在するのか否かが争われた

その問いに対して、実在論者はイエスと答え、唯名論者は存在するのは具体的な個別のものであるとした

そして進化論もこの問いに大きな影響を与えたというのである

その結果、プラトンが唱えた形相・イデアという非物理的なものは存在せず、存在するのは物理的なものであるとされた

唯名論の勝利は、本質についての問いを外に置き、どのように「もの・こと」が動いているのかを問う方向に導いた

現代の科学が本質についての問いを出さず、メカニズムの分析に精を出すようになった理由がここにある

 

このような見方は今では一般的だと想像している

しかし、歴史的な背景を理解していなければ、何も考えずにそれが科学の進む道であると錯覚することになる

形而上学の領域に入るだろうが、科学が本質について問うことを止める必要はないという考えだって成り立つ

思想史の側面から科学を見直すと、こういう考え方だって生まれる余地がある

ずっと広い世界が先に見えてくるように感じる

普遍論争の言葉で表現すれば、わたしは唯名論だけではダメだと考えている普遍実在論者ということになりそうである

それは「科学の形而上学化」の精神の別の表現とも言えるものである


実在論と反実在論についてのかなり詳しい議論は、昨年プイヴェさんの『現代哲学』を読んだ時にも出てきていた

何のために読んでいるのか分からなかったのだが、こんな繋がりも生まれる可能性がある

何事も無駄ではないということか

暇になったら読んでみたい

 

実在論と反実在論(2020.1.30-2.6)

実在論の擁護(2020.2.7-17)

 

 

 

 

 

2021年4月10日土曜日

1年を通した全体を見る



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


庭にゴミでも投げ込まれたかと思い近づいてみると、なんと植物であった

まだ殺風景な庭なので緑を見つけるのは嬉しいものである

早速写真に収めた

調べて見ると、これはフキの花

そういえば、去年同じ場所にコロポックルのフキが生えていたのを思い出した 

ちょっと想像もできないような変容である

 





去年見つけた小さな松も元気である

庭を遠くから眺めているのと土の上にこの足を下ろすのとでは、この体すなわち精神に与える影響が全く違う

それは如何に殺風景な庭であっても変わらない

そして、今年はどんな花を咲かせるのかという去年発見した楽しみも生まれている

その楽しみがあるので殺風景な庭にも耐えられるようになっている

1年を通して一つの存在として庭を見ることができるようになったのだろう

ものの見方の驚異的な進歩だ

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2021年4月9日金曜日

ぽってりとしたボタン雪、そして加古隆という音楽家















今日の午後、明るかった空が一瞬にして曇り、ぽってりとしたボタン雪が降り始めた

そして暫くすると再び明るい空に戻った

通り雪とか、にわか雪という表現があるようだ

4月の出来事であった


ところで今朝出掛ける時、加古隆という音楽家の番組が流れていた

名前は耳にしたことはあったが、どのような方なのかは知らなかった

観ていると、フランスとの縁が深く、若い時にオリヴィエ・メシアンに師事していたようだ

作曲のリストを見ていると、これまでいくつも耳にしていたことが分かった

若くしてフランスに行ったためか、しっかりフランス語を話していた

50代半ばで始めた者には望むべくもないのだが、、もう少し何とかならないものだろうか

最後まで見ようと思ったが、用事があり叶わなかった






2021年4月8日木曜日

COVID-19: 正しい現状認識は行われているのか















コロナの感染拡大が止まるところを知らないようだ

日本の統計は当てにならないので実態が掴めない

数を恣意的に扱いたいという思惑があるため、我々は実態が掴めないようなやり方になっているように見える

(政治の方は実態を知っていると思われるのだが、、)

日々の感染者数は保健所経由で届けられたものだけで、検査数は日によってまちまち

1年経っても増える気配はない

それどころか、直近の東京の検査数は以前の十分の一くらいではないかというニュースを見た

単純計算すれば、500人の感染者は5,000人ということになる

正確な現状認識は行われているのだろうか

正しい情報を集め、その上で対策を講じるという当たり前のことが行われているのだろうか

心配になる





2021年4月7日水曜日

COVID-19: フランスの様子













フランスは先週土曜から何度目かの封じ込めに入った

実際の感触を掴むために様子を聞いてみた

想像通り、外出もままならず生活自体が不便になっているという

フランス入国時の1週間の待機だが、どこも管理していないようだという

自分で規則通りやっていると言えばよいということなのだろうか

その方によれば、だから感染が広がっているのではないかとも

しかし、日本に戻る時には2週間の隔離がある

面倒なので特別のことがなければ避けたいものである

ということで、いつ向こうに行けるのか目途が立たない







2021年4月6日火曜日

大胆な構成の変更




















今朝は、長期プロジェに大胆な変更を迫るアイディアと共に目覚めた

今当たっているところは、本当にダラダラと長引いている

その原因が全体の構想がしっかりしていないことにあると気付いたのだろう

新しい構成が浮かんできたようだ

朝のセッションはそれに則って進めたが、久し振りに引き締まった良い時間となった

今日はこの線で歩むことにしたい






2021年4月5日月曜日

もう少しどっしり構えて



















今日は快晴の気持ちの良い日であった

内の状態はどうだっただろうか

プロジェが増えたため、気が散ってしようがない

その時の気分で少しずつ当たるというのが今日の状態であった

その少しずつが結構奥が深いので大変である

明日からはもう少しどっしり構えて当たりたいものである

 

 





2021年4月4日日曜日

話すことと思索すること、あるいはアーレントの政治と哲学



目覚めて暫くすると、ある考えが巡っていた

まず浮かんだのは、おしゃべりすると思索が邪魔されるという日頃から感じていること

静かな日々を送っていると、そこにある時空間がすべて自分のものとしてあり、思考が繋がりをもって進む

深いところに居続けることができるのである

そこで声を出すということは、それが途切れるように感じられる

しかもそれを続けていると、思索の空間は確保できない

しかし、それが日常生活というものだろう

つまり、日常生活は思索とはかけ離れた世界なのである

 

こんな考えが浮かんだのは、昨夜寝る前に観たアーレントのインタビューが影響していると気付いた

これはネットで紹介されていたもので、流し始めて直ぐ、以前に観たことを思い出した

調べて見ると、もう8年近く前のことであった

ハンナ・アーレントさん、政治と哲学を語る(2013.8.22)

この記事では、アーレントの言葉を次のように纏めていた

「わたしは政治哲学者ではない、政治理論の専門家である。哲学と政治はそもそも緊張関係にある。それぞれ静的な思考の世界と行動の世界にあるからだ」

「わたしにとって最も重要なことは理解すること、その思考過程が最も重要である。何かを言うため、影響を与えるために書くのではない、理解するために書いている。読者がそのように理解してくれるとすれば、最高の満足である」

「第二次大戦中の経験から、インテリはあらゆることの解釈を捏造することを知った。そして、お互いを批判しない。インテリの中では協力するが、その外とは関係を持たない。それがインテリというものの本質であることがわかった。それ以来、インテリの世界には一切関与しないことにした」

「わたしは英語もフランス語もやるが、ドイツ語は何物にも代えがたい。豊かな仕事は母国語からしか出てこない」

「ヤスパースが話し始めるとすべてが明快になる。彼ほど話すことに無条件の信頼を置いている人間を見たことがない。彼は自由と繋がる理性という概念を持ち合わせていた。その理性が実践されている現場に居合わせることができたのである」
 

今朝浮かんだ考えに合致する言葉が、このインタビューにはあったのだ

それは、喋ることは行動である、という何気なく吐いた言葉であった

行動と思索は対立するのである

その前に「哲学と政治は対立する」というフォルミュールについて語っていた

その意味は、哲学が政治に対して批判的なことを言う可能性があるからではない

思索と行動はそもそも対立する世界にあるからという根源的な理由からであった


細かいことを言えば、人と話すことによって発見することも少なくない

その場合でも、日頃の思索の蓄積があると発見も倍増しそうである

ところで、ハイデッガーは思索も行動であると言ったが、これはどう解釈すればよいのだろうか

理論と実践を分けるべきではないという意味だろうとは思う

思索なしの行動は人間のものではないと言いたいのかもしれない

歴史を見ると、思いなしによって人間は行動するが、それが間違っていることが少なくなかった

そうすると、真なる思いなしと偽なる思いなしを見極める必要がある

真なるものを判定するのは並大抵のことではない

自分でそう思ったではダメなのである

ひょんなところから認識論の世界に迷い込んでしまった






2021年4月3日土曜日

思いもかけぬ週末の発見
















今日は、このところの週末の日課に当たる

記憶を辿る作業が主体なので、それを引き出すために記録に触れることになる

その過程で7-8年前に描いた図を見直すことがあった

当時はそれがどういうことなのか明確な意識もないまま描いていたように記憶している

しかし、この間の歩みの中から顔を出したものが余りにもぴったり当て嵌まっているのに驚いたのである

このスキームは案外行けるかもしれないという感触が湧いてきた

その感触と共に長期プロジェに関連する新しいプロジェを二つほど思い付いた

まだ実を結ぶかどうかはわからないが、それを探る価値はあるのではないかという感じである

思いもかけぬ発見であった

 




2021年4月2日金曜日

朝の至福の時間



















昨日、今日と気持ちの良い朝となった

太陽を一杯に浴び、紫煙を燻らすのは至福の時間だ

紫煙があるのとないのでは思索の集中度が違うような印象がある

いずれにせよ、このところ目覚める前にいくつかのアイディアが浮かんでくる

起きてメモし、その後でその内容をエラボレイトするところから一日が始まる

今朝もよい時間となった


それが一段落したところでテレビをつけると、ピカソの青年時代のエピソードが流れていた

以前から感じているが、日本から見るヨーロッパは何より美しい

と同時に、知性の在り方ーーそれはこの世界の捉え方にも通じるのだがーーにも魅力を感じる

わたしがものを考えるようになったのはヨーロッパであり、それをさらに後押ししてくれたのもヨーロッパであった

ピカソが最後まで公表しなかったという絵3点も見ることができた1時間

その意味では、発見に満ちた時間となった

 

 





2021年4月1日木曜日

COVID-19:マクロン大統領による新しい状況認識と対策















 

昨夜、マクロン大統領がテレビ演説を行い、新型コロナウイルス感染状況の現状及び新たな措置等について説明した

大きなポイントは、現在一部の県で実施されている規制措置が、この土曜からフランス本土の全県に拡大されること

これからのひと月がカギになると考えているようだ

以下、大使館からのまとめを張り付けておきたい


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1 感染状況等

● 数週間前から、新たな感染状況に直面している。3月頭から、英国変異株の感染拡大が加速的に悪化し、仏全土に広がっている。いずれの地域圏も例外ではない。
英国変異株は感染力が高く、致死率も高い。健康状態に問題のない60歳、50歳、更に若い世代も重症化するリスクが高く、昨年春の感染状況よりも危険な状態。現在重篤者の44%が 65歳以下である。
● こうした状況を受け、フランス政府は3月18日、20近くの県に対して規制強化を発表した。2週間後の現在、最初の効果が見られるものの、加速的な感染拡大を前に、その効果は全く十分ではない。
● 医療機関が新型コロナウィルス以外の治療をできる限り中止することなく、より多くの重篤者を受け入れられるよう、今後数日間で更に重点的に対策を取る。
● 現在7千床以上ある重篤者向け病床を、医療分野の学生、定年退職者、ボランティア等の協力を得て1万床まで増やす。

2 新たな規制措置

● すでに19県で導入されている以下の強化規制措置を本土のすべての県において4週間導入する。海外領土・海外県はこの対象としない。
● 3日(土)夜から開始する。
・ 19時~6時までの夜間外出禁止
・ 6時~19時の日中は、10km圏内の移動であれば証明書なし(住所を証明する書類が必要)・時間無制限で可能。
・ 地域圏を超えた移動は、4月5日以降やむを得ない理由がない限り禁止。
・ 生活必需品を扱う商店は開店(既に19県において適応されているリストのとおり)
● テレワークは組織的に行われ、実施可能な場合は毎回実施されるよう呼びかける。
● 今週末、復活祭のために地域間を移動することは可能。
● フランス人が海外からフランス国内に入ることは常時認められる。
● 国境労働者の移動を可能な限り容易にすべく、すべてのことを行う。
● 公道・公共空間における集会およびアルコールの摂取に関する監視を強化する。
● 宗教関連行事においても、感染拡大を避けるべく、家族・友人との集会を控えること。

3 学校

● フランス全土において、保育園、幼稚園・小学校、中学校、高校を3週間休校にするが、子供達が孤立し学習できないことがないようにカレンダーを調整する。
● 医療従事者等の子弟や困難な状況に置かれている子供たち以外は、4月5日より1週間、自宅での遠隔授業とする。
4月12日からフランス全土で2週間の春休みとする。
● 4月26日からは、幼稚園と小学校の登校が再開され、中学校と高校は遠隔授業になる。
● 中学校と高校は、5月3日より必要に応じて上限を設けた上で登校が再開される。
● 高等教育機関に関しては、学生本人が希望する場合、引き続き週1日の授業出席が可能である。
● 子供の面倒を見るためにテレワークができない者については、部分的失業制度の利用が可能である。

4 ワクチン
● 本31日、1回目の接種を受けた人数は850万人、2回目の接種を受けた人数は300万人を超えた。
● ワクチンは2回目の接種後2週間で結果が出始める。事実、80歳以上の新型コロナウィルス感染による致死率が大きく下がっている。
● 90%が1回目のワクチン接種を行った要介護高齢者施設(EHPAD)では、段階的に元の生活を取り戻しつつある。
● 今後数週間で、ワクチンの取得を加速させ、フランスおよび欧州での生産を加速させていく。他国に依存せずに必要なワクチンを確保できるよう、大陸ヨーロッパは世界第一のワクチン生産を目指す。
● ファイザーおよびモデルナのワクチンについて、1,700のセンターが設置されている。
● アストラゼネカおよびジョンソンエンドジョンソンのワクチンは、すべての一般医、薬剤師、看護師により接種が可能。
● 25万人の医療関係者がワクチン接種に従事している。
● 55歳以上の肥満、高血圧、糖尿病患者はアストラゼネカのワクチン接種が可能。先週から開始し、今後加速させていく。
● ファイザーとモデルナのワクチンは、70歳以上が接種可能。
● 数日前から、ワクチン接種の予約が取れなかった75歳以上には、医療保険側から電話をし、彼らの予約を行う。並行して、予約のために特化した電話番号も設置する。
● 4月16日以降、60歳から70歳の人を対象とした1回目の予約受付を開始する。
● 5月15日以降、50歳から60歳の人を対象とした1回目の予約受付を開始する。
● 6月中旬以降、50歳未満のすべての人に対し予約受付を開始する。
● 今後夏の終わりまでに、18歳以上のすべてのフランス人がワクチン接種を受けられるようにする。

5 今後の見通し

5月半ば以降の段階的規制緩和のスケジュールについて、近く発表する。
● 5月半ば以降、文化施設を厳格なルールの下で再開し、条件付きでテラスでの営業を許可する。
● 5月半ばから夏にかけての、文化・スポーツ・レジャー関連施設、イベント会場、カフェ、レストランの段階的な再開に関するスケジュールを計画する。