2018年6月23日土曜日

日仏科学セミナーとクリルスキー博士の講演会、終わる

     開会の挨拶をされるクリルスキー教授


今日は午前中から新丸の内ビルの会場に行き、通訳との打ち合わせや登壇者との雑談をする
開場の午後1時半を過ぎると、知り合いの参加者も現れて言葉を交わす
また、サイファイ・カフェに参加されている方も4名ほど出席されていた

2時からクリルスキー教授の挨拶の後、日仏共同研究の発表が行われた
以前にも触れているが、中身が記号ばかりなので素人にはほとんど意味をなさない
念仏と同じように聞いていた

それから研究がどんどん大型になり、多くのデータを集めて解析するようになっている
データを集める過程はほとんど考えることがないのではないだろうか
そして、解析にしても人間が直接手を下せるところがどれだけあるのか分からない
研究がどんどん非人間化しているという印象を持った
内容の理解が不十分なので、どれだけ正確に現状を認識しているのかは定かではないのだが、

わたしが司会を担当したクリルスキーさんの講演も難しいものであった
そもそも分かりやすくしようなどというサービス精神はない
自分の思考をなぞるように話すので、概略でも掴んでいないと理解するのが大変である
幸い翻訳者として何度も著者の考えに親しんでいるのでついて行けたとは言うものの・・
ただ、講演後の質疑応答は活発で、個人的にはよいセッションになったと思っている

閉会の挨拶をされたフランス大使館の方が北里柴三郎とフランスの縁について話していた
その時、最前列に座っているご老人に向かって話していることに気付いた
終わってからお話を伺うと、北里柴三郎のお孫さんに当たるという
有難いことに、親しく言葉を交わさせていただいた
世界は狭いものである

懇親会でもいろいろな方と言葉を交わすことができた
昨秋にフランス大使館でこの企画を最初に話した時に担当された方とも会うことができた
二人の方がいたが、いずれも2年が経過する夏以降にはフランスに戻られるとのこと
また、久しぶりの出会いや記憶が呼び覚まされるような再会もあった

このような集まりで語り合うのも科学を文化にする上では重要になるだろう
逆に言えば、そのような認識の下に対話をしなければならないということになる
フランスからの参加者も積極的に発言されていた
そこでは結果だけではなく、その先に何が言えるのかまで視野に入るような話をしたいものである

今回の集まりは全体的に見ると成功だったと言ってよいのではないだろうか
このような会の運営には、財政面だけではなく大変な手間がかかるものである
主催されたパスツール財団の皆様のご尽力に心から感謝したい

そして、今回の翻訳を通して著者と人間的なつながりが生まれたように感じている
これは翻訳を始める前には予想していなかったことである
翻訳の過程でのやり取りが、ある種の化学反応を起こしたのかもしれない
これも対話というものが齎したのだろうか
どうもこのところ、何でも「対話」に持っていこうとするところがあるようだ

いずれにせよ、これで今週の大きなヤマを何とか越えることができた
来週も結構忙しそうである
明日はお休みだろうか






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