このように、現代の物質論は3つの二元論をすべて解決した
すなわち、衝撃と引力の二元論、エーテルと粗大物質の二元論、そして物理的量と化学的質の二元論である
しかしわたしは、ニュートン物理学を悩ましてきた物質と運動の二元論、物体から物体への運動の移動、物質と空間の二元論という問題についても触れた
これらの問題を解決することも現代物理学に課せられており、我々も現代の物質概念が問題解決できるかどうかを問わなければならない
物質と運動の二元論は消える
この二元論は、物質をある瞬間においてその完全な内在的特徴を持つものとし、運動は事故のようなものとして捉えることによっている
ここから、物質には動かなければならなかったり静止しなければならない本来的理由がないことになる
どの瞬間においても自らの完全な性質を実現しているので、他の瞬間に存在する理由がないのである
これが、デカルト(1596-1650)が神は瞬間瞬間に新しく世界を創造しなければならないと言った理由である
しかし現代の物理理論は、物理的であろうと化学的であろうと、物質をそれ自体の特徴――動くものである――を持つものとして見ている
従って、時間がその存在にとって一つの因子になり、存在するということは根本的に運動になる
個体から個体への運動の移動も消失する
全ての個体はいつも動いている
この運動は活動なので、内在的活動とか超越的活動という形は自ずと消えなければならない
従って、全ての物体はそれ自身を動かすものとして自らに働きかけると同時に、他の物体にはそれを動かすものとして作用しなければならない
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