2023年1月5日木曜日

コリングウッドによる自然(76): 現代の自然観(18)自然の有限性(1)
































まだ、物質と空間の二元論が残っている

寧ろ、物質の存在において時間が一つの因子となっているので、物質と時空の二元論と言うべきだろう

物質は、空間の中で進行し時間が掛かる活動である

この活動が占める時空と時空を占める活動との関係はどのようなものか


ニュートン(1642-1727)とは異なり、現代の物理学者は空虚な空間を認めない

物質は活動であり、一つの物体はそれが作用するところである

物質のあらゆる粒子は宇宙全体で作用するので、あらゆる物体はどこにでもある

この学説もまた、ホワイトヘッド(1861-1947)から明確に教えられたものである

それは、物質の延長――それは、物質のすべての部分は他のすべての外に在ることを含意するものだが――をあからさまに否定するように見える

しかし、実際にはそうではない

なぜなら、重複し相互に侵入する活動は、それぞれが自身の中心を持っており、その自己維持的側面において、問題の物体は中心に在り、それ以外にはないからである

従って、現代の学説はニュートンの空虚な空間を否定するのだが、その反対やすべての空間は物質で満ちているとするデカルト(1596-1650)の学説を主張するものではない

なぜなら、この学説における物質は活動やエネルギーではなく、粗大な物質だからである










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