2020年2月22日土曜日

エピステモロジー(5)



懐疑主義の挑戦(4)

科学的精神の形成』のバシュラール、『科学革命の構造』のクーン、『方法への挑戦』のファイヤアーベント
彼らは知識についての省察を科学史における科学理論の研究と結び付けた
これらの理論の形成のされ方や歴史における異議申し立てと取り替えられ方について自問したのである

彼らはまた、そこから引き出される教訓についても検討した
クーンにとっての科学的進歩は、科学革命と呼ばれる断絶により区切られるものである
一つの科学分野は安定期にパラダイムに応じて発展する

パラダイムとは科学のコミュニティがその時点で受け入れている理論的枠組みのことである
例えば、16世紀前半のコペルニクス天文学は2世紀のプトレマイオスのパラダイムと断裂する科学革命になる
つまり、天動説から新しいパラダイムである地動説への大転換であった

科学史において重要な問題になるが、この変動の複雑な様相である
どのように、なぜ根本的な概念の意味が変わるのかについて検討されるのである
20世紀初頭にはアインシュタインの相対性理論により根本的な変化が新たに起こった

このような歴史的・社会学的視点から見ると、知識の概念は懐疑主義の挑戦における意味と同じではない
懐疑主義の挑戦において、S が p を知っているかどうかを知ることが問題であるが、S とは誰なのか
取り敢えず、それを知る人としておこう
その S の特徴としての知識に興味が持たれるのである

反対に、歴史的エピステモロジーの知識は、知る人に特徴的なことではない
それは、ある時点での知、科学的実践や体制、社会生活への影響などを包むすべての歴史的現実を指している
ここで本質的なことは、社会的な現実としての知の状態や危機を通り抜ける活力を記述することである
異なる流れの間の闘いや科学知の社会的・政治的意味などを


(つづく)







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