2020年2月6日木曜日
実在論と反実在論(5)
連日のパリ行きであった
空き時間に巡った場所で興味深い宿題ができた
それが解けた時には触れることがあるかもしれない
それではグッドマンの話に戻りたい
グルーやブリーンという目が回るようなお話から何かを学ぶことができるのだろうか
非実在論者のグッドマンは、その意味するところをこう言っている
我々が真の範疇を発見するのを待っている出来合いの世界は存在しない
真理は、言語、イメージ、音など用いる記述システム間の調整、すなわち「修正」より重要ではない
現実は記述システムから独立しておらず、システム自体と同時に作られるのである
この見方には4つの原理が内包されている
1)存在論的多元論: 複数の世界が存在する
2)記述的不完全さ: どんな記述もすべての記述上の必要性を満たしているとは自慢できない
(だから、科学や芸術や哲学などでは記号システムを増やすのである)
3)意味論的(記述手段に関する)反実在論:「世界」とか「現実」という表現は常に記述システムに関連する
4)存在論的反実在論:一つだけの現実世界は存在しない
=非実在論: 我々は一つの現実世界と対応することを強制されない
グッドマンは、世界を構築することはタダでもなければ容易なことでもないと主張している
我々はケーキや下手な絵を作るように世界を作るわけではないと彼は言っている
頭を過る一つひとつの理論や芸術作品や思想が世界を作るわけではない
世界の作成は妥当性と一貫性という基準に合致するとグッドマンは考えているようである
つまり、矛盾しないということである
そうだとすれば、そんなに多くの世界を作るのかと問うことができるだろう
決して多数の世界を作らなかったかと問うことさえできるのではないのか
なぜなら、我々は一貫性があると完全に確信できる唯一の妥当な記号システムを持っているからである
(つづく)
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