2020年2月5日水曜日

実在論と反実在論(4)



今日は用事があり、パリへ
のはずだったが、その場に着くとランデブーは明日だという
キツネにつままれた感じで、元々のメールを読み直すと相手が正しかった
こういうことが稀ではなくなっているが、気持ちの乱れは全くない
ただ、自分の記憶に頼って主張し過ぎると、あとで恥ずかしい思いをしそうである


それではカラスの議論の続きを始めたい

ウィラード・クワインは、周りにあるすべてではなく、カラスという種についての「黒さ」が問題になるとした
そこから「自然の種」という概念が意味を持ってくる
これは実在するものの概念で、我々の精神はそれに従うが、その逆ではない

この概念は実在論を前提としている
カラスのような自然の種は、我々とは独立に存在するものを対象としていなければならない
我々に依存しないものを我々は知ることができることを前提としている
これは反実在論者が認めない点である

ものを特徴付ける時に我々が用いる分類に特別なことはあるのだろうか
実在論者は、それが実際に存在する違いに対応していなければならないと考える
ネルソン・グッドマンは別の分類を用いることができると言う
彼は色の分類を考えた

一つは、我々が普段使っている緑(green; vert)と青(blue; bleu)の分類である
もう一つは、グルー(grue; vleu)とブリーン(bleen; blert)という変わった分類である
1)グルーは、ある時点(t)以前に見た時に緑である、あるいはそれ以前に調べていないが青であるもの
2)ブリーンは、t 以前に調べた時には青である、あるいはそれ以前に調べていないが緑であるもの

t を来年1月1日とする
それ以前に緑だったエメラルドは、緑とも言えるしグルーとも言える
同様に、今年中に見た青い花は、青とも言えるしブリーンとも言える
来年の1月2日に初めてエメラルドと青い花を見た時には、それぞれがブリーンとグルーとなる

t 以前には色を特定できないことになる


(つづく)




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