2020年7月31日金曜日

時の流れについての感覚




これは以前にも感じて書いた気がするが、今、再び感じていることなので触れておきたい
それは、明日から8月であるということが信じられないという感覚である
年の初めには、カレンダー上からも、感覚の中でも、8月はずっと先にあった
8月になればこんな状態になっているのではないか、などと想像するだけの遠くのことだったのである
それなのに、今まさにその中に在ることが不思議なのである

カレンダーなど見ずにその時その時を歩んでいく
相変わらず一日は長く、それはかなりのことができる長さである
その一日を重ねているうちにハタと気が付くと、先にあると思っていたものが近付き、通り過ぎていく
このことは、思い描いたことはいずれ直ぐ横に現れるという希望のようにも見える
まだ感覚自体をうまく表現できていないので、その意味付けどころではないのだが、
今の段階では、その感覚が不思議であり、信じられないとだけメモしておこう



2020年8月1日 土曜日

今朝、この感覚を次のように表現できるのではないかという考えとともに目覚めた

「あの時思い描いていた未来はこれだったのか
 味わうことができないはずの未来を今、味わっているという静かな感慨のようなものではないのか
 そこには満たされたものが漂っているように感じる」

昨日よりは明確になったように思うが、これですべてではなさそうだ








2020年7月30日木曜日

COVID-19:フランス入国時の陰性証明書提示またはPCR検査実施について



大使館から以下の連絡が入った

フランス入国に際して、PCR検査の陰性証明書の提示または空港でのPCR検査が義務付けられることになった
対象となるのは以下の16か国からの11歳以上の渡航者で、8月1日から実施される
これらの国から入国できるのは、フランスの国籍を持つ者または滞在許可証を持っている外国人である

幸い、日本からの渡航者は対象外である
注として、フランスの滞在許可書を所持していない日本人は、以下の16か国からフランスには入国できない

1.以下の国については、出発地において搭乗72時間以内のPCR検査の陰性証明書を提示しなければならない

バーレーン
アラブ首長国連邦
米国
パナマ

2.以下の国については、フランス到着時に空港でPCR検査を実施する
結果が陰性であれば制限は課せられないが、陽性であれば隔離措置が適用される

南アフリカ
アルジェリア
ブラジル
インド
イスラエル
クウェート
マダガスカル
オマーン
ペルー
カタール
セルビア
トルコ







2020年7月28日火曜日

改めて、プロジェとは




このところの記事を読み返すと、プロジェという言葉が頻出している
わたしの中では、アウトプットに向かう過程がプロジェに当たる
設計図を書き、材料を集め、それを組み立てて家を建てる時のように、現実の具体的作業である
天空と地上の比喩でいえば、まさに地上の作業になる

この対比でいえば、天空とは囚われを捨てて、自由に夢想の世界に遊ぶことである
そこには、何かのためという目的がない
その時の気分に任せて考え得ることを考えるという至福を味わうことができる世界である
時に、その中からプロジェに繋がるものが出ることもあるが、

その条件は何かと考えた時、思い出すことがある
フランスに渡る2007年の春3月、三重大学で開かれた会で現役最後の講演をする機会を与えられた
座長は東北大学のT教授で、わたしのことを「この先生は心に翼を持っている方で、」と紹介したのである
その時、本当に体が浮き上がるような感覚が襲ってきた
長いお付き合いの中で、詩心などはお持ちでないと判断していたので(失礼!)そのギャップに驚いたのだった

まさに、実際に地上から離れて自由に飛び回る世界がどうしても必要になる
しかし、現実のプロジェクトと云われるものは最初から枠組みが設定されている
それはわたしの性向には馴染まないようである
しかし、自分の中から出てきたものについては自らが責任を持つ必要があるだろう
今、その苦しい過程を乗り越えようとはしているのだが、、









2020年7月27日月曜日

やはり無心に向き合うだけか




本日も徐にプロジェをスタートした
ただ十数年前と違って、「徐に」の中に何かが詰まっている
それは必ずしも今のプロジェに関係しないかもしれないが、どこかで何かと繋がるかもしれないものである
という具合に、プロジェが進展しないことの弁解をしているだけなのだが、

先日、素潜りで6分間水中にとどまることができる人を見た
こちらは、あと数日籠ることにしてみたい
そこから何かが見えるようになるであろうか
今は全く分からない






2020年7月26日日曜日

棟方志功と柳宗悦、あるいは全身で勉強するということ




今日の日美は棟方志功と柳宗悦との交流を取り上げていた
棟方の若い頃の顔を見たが、しっかりと締まっていて素晴らしい
このような顔を最近見ることがなくなった

柳が棟方の中に見ていたのは、囚われのない、全身から迸り出る自由な精神だろうか
頭や小手先ではなく、全身からというところが重要だ
それから、究極の地点に辿り着こうとする向上心が素晴らしい
彼は強固な意志を持った並外れた勉強家だったのである

人間として生まれた以上、最後まで全身で勉強しなければならない
それは務めなのだ、と改めて思った日曜の朝






2020年7月25日土曜日

「小林秀雄と河上徹太郎 最期の対談」を聴く




昨日と同様、日中は天空を満喫
夕方から外に出て月末を目途にしたプロジェに当たる
まだ全体が見えないという状態だ
天空の時間もこのために使うことができればよいのだが、それが難しい

昼間のぼんやりした時間に「小林秀雄と河上徹太郎 最期の対談」を聴く
お酒が入っていたようで、論理的というよりは感情が前面に出る対談だった
抑えが効かないのである
それと晩年の対談のせいか、どこか物悲しくなるところもあった

今の作家がどういう飲み方をしているのかは分からない
ただ、子供の頃に見た大人はこんな飲み方をしていたような気もする
今では、少なくとも自分の周りでは見かけない風景である
日本人はこの5-60年で大きく変わったのだろうか











2020年7月24日金曜日

「トゥキディデスの罠」から新冷戦へ?




今朝は窓を開け放ち、バーバラ・ヘンドリックスさんのクリスマスソングを聴く
いつの頃からか、季節外れのクリスマスソングが気に入り出したのである
それを弾みに、と思ったのだが、如何せん体が動かない
天空での生活が長過ぎたせいか、天空と地上のミニ往復は結構大変なのだ

夕方まで待つとその気になってきたので、外に出て一仕事することにした
3月、4月の頃に比べると、周りから聞こえてくる声に張りがある
ひそひそ話という感じではなくなっている


仕事に入る前に、ハーバードのグレアム・アリソン教授の2年ほど前の話を聴く
直近の米中の衝突の背景を考える際の参考になるのではないかと思ったのがその理由だ
その中に「トゥキディデスの罠」という言葉が出てきて驚く
違うコンテクストだが、最新のエッセイで取り上げたばかりの名前だったからだ

この言葉は博士の造語である
それまでの覇権国家の存在を脅かす新興国家が出た時に陥りやすい状態を指している
古代ギリシアの場合には、覇権軍事国家スパルタに対して新興の経済大国アテナイの戦争になった
現代では、これまでの大国アメリカと急速に力を増してきた中国との間の対立である

博士の研究によれば、過去500年間にあった16回の対立の内、12回は戦争に発展したという
さらに注意を要するのは、第1次大戦のように第三者が戦争への引き金を引くことがあることである
歴史に学ぶとすれば、かなり高い確率で戦争に発展する可能性があることになる
そこに、どのような相互理解や譲歩を促す試みが絡んでくるのか


地上は地上なりに興味深い問題に溢れている
ただ、スピードが速過ぎる
心休まることがなさそうである








2020年7月23日木曜日

リズムが狂ったままの1年か




本日は午後から久し振りに図書館へ
今月終えたいプロジェに当たるも眠くなる
今一つ燃えていないようなので家に戻ってやり直すことにしたが、同じであった


この1年はリズムが狂ったままなのだろうか
例年であれば先月にはフランスに向かっているはずなのだが、今年はそうはいかない
ロジックなき対策のため全く先が見えなくなっているので、当分入国制限が弱まることはなさそうである

このようなリズムの乱れは心身にどのような影響を与えるのか、今の段階では想像できない
しかし、目には見えない影響も含めて無視できないものがありそうだ
悪い影響だけではなく、思いもかけないポジティブな影響が出ることはないだろうか

いつも人任せである
何しろすべては決められていると思っている人なので如何ともし難い
明日はどんな展開になるだろうか









2020年7月22日水曜日

天空と地上のミニ往復




午前中はゆっくり過ごしたが、結構よい時間となった
最近わたしの前に現れたテーマについて読んだり、新しい問題を作ることができないかと瞑想したり
このようなことをやるのが天国での生活である

夕方からは外に出て、今月終わらせることを目指しているプロジェに当たる
しかし、まだまだ準備不足という状況で嫌になる
明日はどうだろうか
こちらは地上の時間と言ってもよく、できれば避けたいところではあるのだが







2020年7月21日火曜日

「人生をインプロヴァイズする」の一変型




今朝、パソコンに向かっていると視野の外れに白いものが動くのを感じた
外を見ると、初めての訪問者がいるではないか
20分ほど行儀よく動かずにそこにいたが、一体何を思っていたのか


新しいやり方を思い付くと、それを暫くの間続けるようにと自分に言い聞かせるところがある
それがストレスになる
なぜなら、毎日気分が違うからである

新しいやり方は、これまでのものに加わったもう一つのオプションくらいに考えればよいのではないか
朝、一服しながら庭を眺めている時、その日をどのように使うのかを考える
そのやり方として、手持ちの中から気分に合うものを選べばよいのである

こうすると、ストレスを感じることなく毎日を過ごすことができそうである
問題はやり方ではなく、そこから何が生まれるのかだとすれば、一挙両得である
これは「人生をインプロヴァイズする」のバリエーションとも言えるだろう






2020年7月20日月曜日

伊藤道郎という芸術家




昨日も完全オフとして、これまでのことを振り返り、これからを思い描いたりしていた

今朝、出かけようとする時、興味深いドキュメンタリーが始まったところだった
子供の頃に聞いた歌が印象に残っていたジェリー伊藤さんの父親の物語であった
その名は伊藤道郎(1893 - 1961)、初めての方である
歌手を目指してドイツに向かうも彼らには太刀打ちできないと察し、山田耕筰の勧めもあり舞踊の道へ
イギリスに渡ってからイェイツなどの一流の芸術家に認められ、ホルストに『日本組曲』の作曲を依頼までしている

さらにアメリカでは、モダンバレーの祖と言われるまでになった
しかし第二次大戦開戦時、スパイ容疑で強制収容所に送られるが、昭和18年日米交換船で帰国
戦後、日本で活躍の場を持ち、最後は東京オリンピックの開会式、閉会式の演出をする予定だった
しかし、その3年前に亡くなっている

中身の濃い、どっしりとした、時間を忘れさせるドキュメンタリーであった
勝手な想像だが、芸術家として充分に生き切ったのではないだろうか
印象に残ったのは海外にいる時の眼光の鋭さである
そこにイサム・ノグチの目にも通じるものを感じた


よい1週間になりそうな予感がする週の初めである











2020年7月18日土曜日

最初から全体を捉える




今日は家で完全にリラックスして、2つのテーマについてぼんやりと当たっていた
ぼんやりして受け入れるという作業は、最初からその全体を捉えようという時に有効である
部分を細かく集めてから全体をイメージするというのではない
勿論、最初から全体が見えるわけではないが、少しずつその姿が明らかになってくることが多い
ということで、今日の段階ではまだよく見えていないが、いずれの時を期待している







2020年7月17日金曜日

新しい過ごし方を試す




一日の時間の使い方についてのアイディアが浮かぶ
ちょっとしたことだが、一つのことに慣れてしまうとなかなか気付かないものである
おそらく体にもよく、フレッシュな気持ちで集中できるのではないだろうか
新しいやり方を暫くの間、試してみたい








2020年7月16日木曜日

COVID-19、ウイルスの存在と病変の乖離




今日目に付いたCOVID-19関連の情報を書き留めておきたい
まだ雑誌に受理されていな論文だが、亡くなった患者さんの剖検後の研究になる
結論から言えば、ウイルスの存在(RNAと蛋白で確認)と病変(組織の損傷)とは相関していない

以下にその内容を簡単にまとめておきたい

対象はCOVID-19で亡くなった11人の患者さん
ウイルス(SARS-CoV-2)は呼吸器に多く検出されるが、他の臓器(腸管、心臓、筋肉、肝臓、腎臓など)にも見られる
しかし、肺以外の病変は軽微で、強い炎症性変化は肺と細網内皮系に限られていた
肺以外の臓器ではSARS-CoV-2に対する耐病性(disease tolerance)があると想定される

肺の病変は、肺胞の障害、血栓形成、血管炎などが見られ、直接の死因は肺の炎症と考えられる
肺内においても、ウイルスが存在する部位と病変部とは一致していない
肺の実質にはマクロファージ、単球、T細胞が浸潤し、骨髄では形質細胞が増えている
形質細胞はリンパ節、脾臓、肺でも増加している

肺の病変はウイルスを排除すべく反応しているというよりは、免疫反応の制御が乱れた結果だと考察している
重症例にステロイド系抗炎症薬のデキサメタゾンが有効だというのもよく理解できる結果である






2020年7月15日水曜日

より緻密で注意深くなった観察力?




最近の感覚で気に入っていることがある
それは、やることすべてが繋がってくるという感覚である
無理やり繋げているわけではないのだが、少し横を見れば繋がるものがそこにあるという感じである

それは無駄なものが何一つないという世界である
これはこれで大変である
真面目にやれば休みがないことになるからだ

これまで何かのためにやることを極力避けてきた
「何かのため」というのは性分に合わず、それだけでやる気が失せたからだけなのだが、、
しかしここに来て、別のところを向いていたいろいろなものが皆同じ方向に収斂し出したように感じている

これは全くの想像なのだが、そのいろいろなものは組み合わせが変われば今度は別の方向に行きそうなのである
ということは、今はいろいろなものの一面しか使っていないことになる
そう考えると、おそらく蓄えとしてあるそのいろいろなものが宝物のように見えてくる

別の視点から見れば、実はずっと以前からこういう状態だったということも考えられる
しかし、そのことに気付けなかっただけなのかもしれないのだ
もしそうだとすれば、最近の感覚と呼んだものは、より緻密で注意深くなった観察力の賜物なのだろうか






2020年7月14日火曜日

プロジェを淡々と




今日はフランスの革命記念日であった
こちらは月を跨いだプロジェを引っ張り出して淡々と当たる
このところの写真と関係があることに今気付いたが、テーマは植物についてであった
今月中には何とかしたいが、どうなるだろうか

途中、フッサールの日本語訳を読む
哲学の領域でどのような日本語を使えばよいのかを考える上で参考になることがあった
日本語で発表することが多いので、日本語訳にも注意を払う必要がありそうだ







2020年7月13日月曜日

今年の前半を振り返る




今朝、今年の前半を大きく振り返ってみた
年頭に思い描いていたものとは全く異なる状況になっている
それまで生活の基本になることは、何も気にせず生きていた
しかし、「こころから」とか「底抜けに」とかいうことが難しくなりつつある
常に何かが我々の意識、無意識に引っ掛かっていて、我々を刺激しているからではないのだろうか

この状況は、我々の意識を内に向けることを強いるところがある
一つひとつの「こと」の本当の意味を考えるように我々を導くところがある
それは悪いことではないだろう
そのような気付きを与えてくれるのは、常にと言ってよいくらいネガティブに見える状況なのだ


プロジェの面からこの半年を振り返っても、例年以上に動きがあるように見える
全く手が付いていないものがあるかと思えば、予想以上に発展しているものもある
これまでは特に注意を払うことなく、漫然と一年を過ごしてきたことが分かる
今年から月の振り返りをやるようになったため、必然的にプロジェにも細かく目が行くようになったのだろう
これからどのような展開をするのか、年末まで待つことにしたい







2020年7月12日日曜日

COVID-19、非感染者に免疫反応




昨日、これからの方向性について、これまで考えていなかったことを思い付いた
このような予期せぬことを発見と言っているが、その瞬間に気持ちが浮き上がるような感覚が生まれる
仕事は外でやることが多いのだが、今日は家で昨日のアイディアに沿ってやってみることにした
久し振りにすべてのシェードを開け、光が満ちる中での作業となった


この間に目に触れたCOVID-19関連のニュースから

最近、ウイルス(SARS-CoV-2)に晒されていない人にも免疫があるという複数の報告が出ている
2015年~2018年に集めた血液についてのアメリカからの報告では、何と半分にT細胞の反応が見られたという
ウイルス・ペプチド(スパイク・ペプチド以外も含む)に対するT細胞の反応である
T細胞の種類は、抗体産生などを補助するヘルパー型(CD4陽性)で多く、キラー型(CD8陽性)では少なかった

オランダの研究では、CD4陽性T細胞では 1/10~2/10、CD8陽性T細胞でも1/10に反応が見られた
ドイツの研究では、非感染者の34%にスパイク・ペプチドに対するT細胞の反応が見られた
シンガポールでも同様の結果が出ている
これらの結果は、このウイルスを認識するT細胞が世界各地の非感染者に存在していることを示唆している

そのメカニズムはまだ不明である
ただ、風邪のコロナウイルスに感染した際にSARS-CoV-2と交差反応する記憶T細胞が生じた可能性は考えられる
もしそうならば、CD4陽性T細胞は感染時に中和抗体を早期に大量に産生させる可能性がある
個人による病状の違いが説明できるかもしれない

また、ワクチンの効果を高める可能性や集団免疫の成立に関与する可能性も考えられる
ただ、ワクチンの検定時には個人によるウイルスに対する既存の反応性の違いを考慮に入れる必要があるだろう





2020年7月11日土曜日

夜の海を眺める




昨日、前日のテレビの影響かどうかは分からないが、何とかエッセイを仕上げることができた
こうしてみると、一日が何と長いのかということが分かる
抽象的に形容すると、時間の中に入ることができれば、という条件付きなのだが
そのコツが掴めてきたようである

夕方、海を見に出かけた
沖には大型と中型の船が明かりをつけて浮いている
それだけでよかったのだが、その前をやはり灯りを付けた小さな船がゆっくり横切っていく
何とも言えず、満たされた気分になる
そして振り向くと、素晴らしい夕焼けが目に入ってきた





2020年7月10日金曜日

COVID-19パンデミック、あるいは「前」と「後」を考える





『パリから見えるこの世界』シリーズの第93回を紹介いたします


COVID-19パンデミック、あるいは「前」と「後」を考える
医学のあゆみ(2020.7.11)274(2): 237-240, 2020

お読みいただき、コメントをお寄せいただければ幸いです






2020年7月9日木曜日

ヒトとマッコウクジラの語らい




今朝テレビを付けると、マッコウクジラと人間の交流を描いたドキュメンタリーが始まるところだった
いつもこういう偶然と共にあるわけではない
偶然に出くわした時に書いているだけである

主人公は、二木あいという一息で6分間潜っていられるフリーダイバー、それにクジラである
カリブの海でのクジラとの柔らかい遭遇を追った6年前の再放送だった
クジラの気持ちも理解しようとしながら、すなわちこちらの気持ちを広げながら観ていた

なぜこの番組に興味を持ったのだろうか
おそらく、今書いているエッセイのテーマと深いところで繋がっていると思ったからではないだろうか
こういう出遭いが筆を進める力になるとよいのだが、、
明日その結果が分かる

*なお、この番組は7月10日の0時45分からも再放送が予定されているようだ







2020年7月8日水曜日

COVID-19、感染率と集団免疫



昨日のつづきで、COVID-19のお話になる

COVID-19の抗体陽性率が出始めている
感染者25万人、死亡者2万8千人以上のスペインだが、抗体の陽性率は5%だった
これは4月から5月にかけて行ったスペイン全土に及ぶ6万人超についての結果である
6月と7月の結果もそれぞれ5.2%で大きく変わっていない
マドリッドに絞ると10%、バルセロナでは7%だが、他の地域はずっと低くなっている
同様の研究はジュネーブ(2,700人ほど)でも行われていて、抗体陽性率は10.8%だった

これらの結果をパンデミックが収まるメカニズムとされる集団免疫に照らすとどうなるだろうか
教科書的には、60%(あるいは70%)以上の人が感染すれば集団免疫が成立するとされる
しかし、この数値は高いという研究者もいて、それらを纏めると40-50%ではないかとのこと
中には20%という低い値を出している人もいる

これらの数字の中で最低の20%から現在の感染率を見ても、集団免疫を達成するのは難しいことが分かる
残る可能性はワクチンだが、昨日も問題になった通り、それがどれだけ効果を示すのかは分からない
結局、物理的距離、マスク、検査、隔離、追跡の基本に返らざるを得ないのかもしれない


ところで今テレビをつけたが、PCR検査数とかそれに対する陽性率が話題になっている
パンデミックが始まってから4か月も経っているので、何を今更という感じである
毎日フォローしているわけではないのでこれが初めてのことかどうかは定かではないのだが、、







2020年7月7日火曜日

COVID-19、5つの謎




今日は久しぶりに今世紀最悪の危機となっているCOVID-19の現状に当たってみたい
最近、Nature誌で取り上げられた記事を参考にしながら
感染が広まって半年になるが、未だに解決されていない問題が5つあるという

第一は、なぜこのウイルス(SARS-CoV-2)に対する反応が人によって異なるのか、である
イタリアやスペインの4,000人ほどを対象にした国際研究により、重症者に特徴的な遺伝子変異が見つかった
一つは、ABO型を決めている遺伝子領域にある
他には、ウイルスの受容体ACE2をコードする遺伝子、あるいは免疫応答を支配する遺伝子に近接するものがある
ただ、これらは比較的影響が弱いとして、さらに重要な遺伝子を探しているグループもあるようだ

第二は、ウイルスに対する免疫反応がどのようなもので、どれくらい持続するのか、である
ウイルス中和抗体は感染の数週間後に現れるが、それ以降減少する傾向がある
ただ、重症患者ではこの抗体が高いレベルで存在し続ける
SARSの例を見ると、普通の感染者は数年後に中和抗体が消えるが、重症者では12年後でも存在したという
また、どれだけの中和抗体があればよいのか、他の抗体で重要なものはないのかという問題もある
さらに、T細胞はどのような役割を担っているのか
まだ、このウイルスに対する免疫の全体像は見えていない

第三に、このウイルスは毒性を増すような変異を起こすのか、がある
これに関しては、いまのところ重大な変異は起こっていないようである
ウイルスは武漢から出たが、2月くらいから見られたヨーロッパのウイルスはそれが変異したものである
培養細胞に対する感染性はヨーロッパのものが高いようだが、人間に対する影響は分かっていない

第四は、パンデミックを終わらせる可能性があるワクチンはどれだけ有効なのか、という問題である
世界的に見ると、200ほどのワクチンが開発中で、その内約20の臨床試験が行われている
サルを使った実験では、肺の感染は抑えるが、鼻では対照群と同じくらいのウイルスが見られたという
人でも同様だとすれば、重症化は抑えられるが、ウイルスの拡散には効果がないことになる
人での実験は少ないが、ワクチン投与により抗体ができるという報告はある
ただ、その抗体は感染を抑えるのに十分な効果を持つのか、どれくらい持続するのかなどは不明である

第五は、このウイルスの起源である
SARS-CoV-2はコウモリ(horseshoe bat)由来であるという見方に多くの研究者は同意している
コウモリで見つかったSARS-CoV-2類似の二つのウイルスは、遺伝子配列が96%、93%同一だという
起源を特定するには99%以上の同一性が求められる
一つの可能性は、コウモリからヒトに感染する前に中間宿主がいたのではないかというもの
パンデミック初期にセンザンコウが候補になり遺伝子配列が調べられたが、SARS-CoV-2との同一性は92%であった
おそらく、センザンコウからヒトに感染したのではないと考えられる
この問題もオープンのままである






2020年7月6日月曜日

植物の勢いに驚く




本日、剪定をするも一部だけに終わる
春先には考えられないほどの植物の成長で、その勢いに驚く
剪定はもう少し勢いが落ちてから、緑がなくなってからにした方がよさそうだ

午後から外に出てプロジェに当たる
こちらもほんの少しだけという感じだが、成るようにしかならない
ゆっくりとその中に入るという感覚は掴めているので、よいのではないだろうか







2020年7月5日日曜日

大拙の言葉から




大拙の言葉から、いくつか


  • 雲水は何れも一面にあっては、自分のために他に対して出来得る限り面倒をかけざるように努め、他面にあっては、団体の一般的幸福のために極力尽瘁する。これを指して「功徳を積む」という。

  • 科学と科学的工作とは大いに人間の役に立った、併しながら我々の実際の精神的幸福に関する限りに於いては、我々は、我々の祖先が獲ていたそれよりもより以上に何等出ていない。事実我々は現在、世界中に亘って最悪の不安に悩まされている。そこで問題は、如何にして不思議(acintya)の見得に我々を再び立ち返らすかと云うことになる。これこそは疑いもなく、近代人を悩ます凡ての問題の中で最も重大な最も根本的な問題である。

  • 人間生活は、常に、経済的原理によって支配せられていはしない。そこにはより以上の何物かがある、このより以上の何物かが理解せらるる時にのみ、我々の求めつつある平和と幸福が得られる。我々の現代の生活は組織的にこの思想より立去らんとしつつあり、事実、故意にこの内面の声を沈黙させんとしつつあるは甚だ不幸なことである。

  • 仏教には、「六波羅蜜」と云って六つの徳目が菩薩行を構成するものと看做されている。・・・六つとは、一、布施、二、持戒、三、忍辱、四、精進、五、禅定、六、智慧である。この中で第三の「忍辱」が本章で云う「陰徳」に当たると見ることが出来よう。忍辱とは只々こらえるということでなく、自分という考え、即ち自己中心主義なるもの――これは何人でも無意識に持っているもので、仏教はこれを我執の一念と云う――、これを取り除き得た時、自然に動き出る志向と行動が、それなのである。

  • この布施行と云うのは、単に物を施すと云うことのみではない。功徳を施し、知識を施し、信仰を施すも亦布施である。身を殺して仁を為すのも亦布施である。観音菩薩は「施無畏」と云われる。無畏とは金剛不壊の信の義である。何れにしても六波羅蜜は大乗菩薩の生活そのものである。







2020年7月4日土曜日

欧州域外からフランスへの入国規制緩和措置について




本日、フランスが入国規制を緩めたとのニュースが大使館から届いた
ただ、15日ごとに見直すようなので注意が必要になる
日仏を往復するためには、日本が自主隔離をいつ解除するのかが問題になる
最近の東京の様子を見ると、楽観は許されないだろう
以下にフランスの決定を貼り付けておきたい

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1 フランス政府は7月1日付けで首相訓令を発出した

同日以降、日本を含む以下(1)~(13)の欧州域外諸国からフランスに入国する者に対し、コロナウィルスの感染拡大防止の観点から実施していた入国制限を解除した。

これに伴い、以下(1)~(13)からの入国者については、「国際移動適用除外証明書」及び「新型コロナウィルスの症状がない旨の宣誓書」の携行や14日間の自主隔離も不要となる。

ここで欧州域外諸国とは、EU加盟国、アンドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、英国、サンマリノ、バチカン及びスイス以外の国を指す。

(1)オーストラリア
(2)カナダ
(3)韓国
(4)ジョージア
(5)日本
(6)モンテネグロ
(7)モロッコ
(8)ニュージーランド
(9)ルワンダ
(10)セルビア
(11)タイ
(12)チュニジア
(13)ウルグアイ

 2 上記の国のリストは、EU理事会の勧告、感染状況の推移及び相互主義の尊重を考慮しつつ、少なくとも15日ごとに更新される予定である。





2020年7月3日金曜日

大竹伸朗氏のエッセイ




週を越えてもよい集中力の中にいた
続けていると「破壊的に」なりかねないので、本日は少し緩めることにした
弛緩した思考の中で、先日I氏から勧められた大竹伸朗氏のエッセイに目を通してみた

実は、この方から抽象画とはどういうものなのかを教えてもらったと言ってもよい
氏は若い時に北海道でも生活したことがあるらしく、関連したエッセイも少なくない
想像通り破天荒な生活が描かれている
ガッツに響くと言ってもよいエッセイだろう









2020年7月2日木曜日

フッサールの言葉から




雨の一日
今日の言葉はフッサールにしたい


  • 一九世紀の後半には、近代人の世界観全体が、もっぱら実証科学によって徹底的に規定され、また実証科学に負う「繁栄」によって徹底的に眩惑されていたが、その徹底性たるや、真の人間性にとって決定的な意味を持つ問題から無関心に眼をそらさせるほどのものであった。単なる事実学は、単なる事実人をしかつくらない。

  • ヨーロッパ的人間性は、よく知られているように、ルネサンスにおいて革命的な内的転換をとげる。それはいままでの中世的な存在様式に反抗し、それを無価値にして、新たに自己を自由に形成しようとするのである。そしてその驚嘆すべき模範を、古代の人間性にもとめ、古代人の(哲学的な)存在様式を自己の模範として模倣しようとする。

  •  現代の実証主義的な学の概念は、一つの残余概念だということになる。この概念は、時には狭く、時には広く解される形而上学の概念のうちにふくまれていたあらゆる問題――そこには「最高の究極的な問題」と曖昧に呼ばれているものもすべて含まれるのであるが――をとり落してしまったのである。

  •  形而上学の可能性に対する懐疑、すなわち新たな人間の指導者としての普遍的哲学への信頼の崩壊は、古代人がドクサに対立させたエピステーメーの意味に解される「理性」への信頼の崩壊を意味する。理性とは、存在すると思われているもののすべて、すべての事物、価値、目的に究極的に意味を与えるものである。

  • 哲学すなわち学問とは、人間性そのものに「生得的」で普遍的な理性が開示されていく歴史的運動だといってよいだろう。








2020年7月1日水曜日

ベルクソンの言葉から




今日はベルクソンの言葉から、いくつか

  • 精神という場合、それはまず何よりも意識を意味します。

  • 意識はまず何よりも記憶を意味します。・・・記憶が存在しなければ、意識は存在しません。・・・ライプニッツが物質は「瞬間的な精神」であると言ったとき、彼は好むと好まざるとにかかわらず、物質とは感覚を持たないものだと宣言したのです。

  •  すべての意識は未来の予期です。

  • すでにないものを記憶して、まだないものを予期すること、これが意識の第一の機能です。

  • ある存在が意識を持っていることを確実に知るには、その内部に入り、それと一致して、それにならなければなりません。

  •  人間において、意識は疑いもなく脳に結ばれています。だからといってそこから、脳は意識に欠くべからざるものだということにはなりません。動物の系列を下に降りていけばいくほど、神経中枢はしだいに単純なものになり、拡散していき、お終いにはとうとう神経の要素はほとんど分化していない有機体のかたまりに溶けこんでしまいます。・・・それゆえ厳密に言えば、生きているものはすべて意識を持ちうるのです。

  •  生命はそのはじまりにおいて、生命なしに出来かかっていた、あるいは出来えたようなそういう物質の内部に入ったのです。

  • この再生とこの進化こそが生命なのです。再生と進化というこの両者は、内的推進力をあらわしています。

  • 私たちの前では明らかに、一つの力が働いています。その力は自分の枷から解放されて、自分自身を越えようとして、最初は自分の持っているものすべてを、ついで自分の持っている以上のものを与えようとします。これより他に精神の定義の仕方があるでしょうか。 

  • 確信のある人、生命にあふれて持続する作品を生み出したことを絶対に確信している人は賛辞を必要とせず、名誉を越えたものを自らのうちに感じています。なぜなら、そのような人は創造者であり、自分が創造者であることを知っているからです。そのような人の感じる歓びは、神のような歓びです。

  • 絶えず過去の全体に寄りかかり、未来にいっそう力強く乗り出すように招かれている人間は、生命の収めた大成功というべきものでしょう。・・・もっと正確に言えば、創意ある単純な英雄的行動によって徳への新しい道を切り開いた人々は、形而上学的な真理の啓示者なのです。