2020年5月8日金曜日

フランスにおける外出規制暖和に関する説明について




昨日、防衛閣議において、5月11日からの外出制限緩和が決定された
その概要が大使館から送られてきたのでここに紹介したい

------------------------------------------------

(まとめ)

● フランス全土は赤ゾーンと緑ゾーンの2つに分けられ、ゾーンで制限緩和のあり方が異なる
 赤ゾーンは、イル・ド・フランス圏、グラン・テスト圏、ブルゴーニュ・フランシュコンテ圏、オート・ド・ フランス圏、海外県のマイヨット県

● イル・ド・フランス圏において
 ラッシュアワー時、職業証明書携行者とやむを得ない理由のある者以外による公共交通機関の利用を禁止
 やむを得ない理由とは、健康上、司法・行政からの呼び出し、子供の同伴

● 公共交通機関における11歳以上の者のマスク着用を義務化(違反者は135ユーロの罰金)

● 5月11日から、マイヨット県を除き、日常の外出に関しては証明書携行不要
 但し、居住地から直線距離100キロ以上の移動に関しては、職業上の理由や家族のやむを得ない理由を除き禁止
 新たな証明書は、内務省HPから紙媒体及び電子媒体でダウンロード可能(違反者は135ユーロの罰金)

● 100キロ以上の移動であっても、居住地の県内なら許可
 コントロールの際に提示できるように、居住地を示すもの(住居契約、住所付請求書、小切手等)を携行すること

● 仏国内に入る者(注:国籍問わず、別途定める感染流行地域からの入国の場合)について、原則14日間の隔離(quatorzaine)を実施
 現時点では,シェンゲン圏からの入国は隔離対象外

(首相・保健大臣)

● 本日の防衛閣議において、5月11日からの外出制限緩和が決定された
 仏全土は赤ゾーンと緑ゾーンの2つに分けられ、各ゾーンで制限緩和のあり方が異なる

・ゾーン分けは、ウイルスの流行、病院の受け入れ能力、PCR検査の能力という基準に基づきなされた
・赤ゾーンでは、引き続き中学や公園は閉鎖
 マイヨット県、イル・ド・フランス圏では特別な注意が必要
 マイヨット県では、外出制限緩和の日付は5月11日より後となる
・緑ゾーンでは、6月上旬からレストランやカフェ、高校が再開する可能性がある
仏全土ゾーン分け地図

● 高齢者や脆弱者について、5月11日以降、外出制限を命じることはないが、各自の判断で責任を持って行動

● 仏全土においてPCR検査能力は十分であり、医療保険で100%カバーされる
 ドライブスルー形式や家での検査も可能となる予定
 症状が出たら医者に相談し検査を受け、結果が出るまで自宅またはホテルでの隔離が必要
 これは少なくとも8~10日、症状がなくなってから2日間の期間
 複数で生活している場合、一室に閉じ籠り、他の同居人と接触を避ける等注意

・検査結果が陽性の場合、医者が状況をフォローし、結果が陰性の場合でも医者と対応を決める
・陽性患者と接触した場合、自主隔離し、接触後7日後に無症状の場合でもPCR検査を受けること

● 4.75億ユーロをEHPAD勤務者の特別手当として新たに拠出

(教育大臣)

● 小学校は、5月11日以降、100万人の生徒が学校に戻り、13万の教師がそれに対応する
 この数字は、国内の50,500校の内の80~85%にあたる

● 中学校は、緑ゾーンにおいては5月18日から開校する

● 高校は、緑ゾーンにおいては6月上旬から開校する可能性がある

● 学年別に対応しつつ、授業進行に支障を来している生徒、医療従事者の子供等を優先すべき
 詳細は各地域や教育機関に照会すること

(交通大臣)

● 公共交通機関は5月11日から本数を増やし、車内で乗客同士の物理的距離が確保できるようにする

● 引き続きテレワークを推奨
 出勤する場合でも、公共交通機関における混雑を防ぐために勤務時間をずらす

● イル・ド・フランス圏では、ラッシュアワー時、職業証明書携行者とやむを得ない理由ある者以外は公共交通機関利用を禁止
 利用者が多すぎる場合は駅を閉める場合もあり、約2万人の警察・治安部隊が協力

● 地域圏間の移動(SNCF)についても本数を増やすが、事前予約が必須
 収容能力の50%までしか乗車させない

● 公共交通機関における11歳以上の者のマスク着用を義務化(違反者は135ユーロの罰金)

(内務大臣)

● 5月11日から、マイヨット県を除き、日常の外出に関しては証明書携行不要

● EU国境に関しては新たな令まで閉鎖
 仏国境については、国境労働者等の例外を除き、少なくとも6月15日までは引き続き閉鎖

● 仏国内に入る者について、原則14日間の隔離(quatorzaine)を実施
 現時点では、シェンゲン圏からの入国は隔離対象外(但し、仏海外領土からの入国は対象)

(経済大臣)

● 5月11日、40万の企業、87.5万名の労働者が仕事に戻る

● イル・ド・フランス圏を除き、40,000平方メートル以上の大型商業施設についても、地域圏知事の同意があれば再開可能

● 連帯基金は5月末まで維持する

● 小規模企業について、3ー5月分の社会保険料・税の支払は免除する

(労働大臣)

● 特にイル・ド・フランス圏においては、可能な限りテレワークを推奨

------------------------------------------------

フランス国内の状況は改善しつつあるようだが、当分の間、外からフランス国内に入ることはできない
たとえ入ることができても14日間の隔離が伴うのだとすれば、入国は現実的ではないだろう
当分の間、様子を見ることになりそうである







0 件のコメント:

コメントを投稿