2020年5月9日土曜日
哲学における論理学の役割(8)
フレーゲ、あるいは新しいアリストテレス?(2)
フレーゲは、数学者、論理学者、哲学者である
1879年に出版された『概念記法』(Begriffsschrift)において、正式な言語を仕上げる
その主な新しさは、一般性を表すために量化子(quantifier; quantificateur)を用いたことである
この量化子により、ある命題の全体を言っているのか、部分なのかを明確にできるようになった
フレーゲにとって、論理的関係の表現においては、普通の言葉は曖昧で、不揃いで、不正確である
論理的特徴は、そこでは暗黙の状態のままである
よって、普通の言語で導かれる証明の前提や推論を徹底的には決定できないのである
そのためフレーゲは、論理学の道具として形式の体系を提唱することになる
そのお陰で、前提や議論の完全で厳密な説明の理想が実現した
フレーゲの根本的なテーゼの一つは、「反心理主義」である
それは、心理学は論理学と何の関係もないとするものである
論理学の法則は真理の法則であって、精神の法則ではない
それは、より一般的な真理である
このように『概念記法』は、すべての科学の厳密で完全な推論の発展に一つの枠組みを与えたと見られている
そこで、論理学の「普遍主義」が語られるようになる
(つづく)
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