いま折に触れてエンツォ・パーチさんの日記を読んでいるが、科学について書いた本があることを発見
英訳をアメリカに注文していたが、こちらも意外に早く届いた
The Function of the Sciences and the Meaning of Man(1972; original publication, 1963)
偶にあるのだが、大学図書館から出たものであった
まず訳者のイントロを読み、次のような考えが巡っていた
ガリレイやデカルト以来、自然を主体の外に置き、それを制御するものとして科学を捉えてきた
人間を自然の外にあるものとして捉えていたのである
しかし、人間も自然の一部であるというスピノザの認識には真理があるように見える
もしそうであるならば、科学が人間をコントロールするようになるのは当然の帰結と言える
人間は科学のコントロールの対象だったのである
本質的にはほとんど必要のない技術の発展により、人間は縛られている
なぜ本質的ではない新しい技術に人間は喜んで縛られるようになるのだろうか
おそらく、人間はこの世界の本質的なことと対峙することに堪えられず、気晴らしを求めているからではないか
パスカルが喝破したように
訳者は言う
科学は理性主義的で自己充足的だというが、それは独善的なものである
なぜなら、科学は科学のやり方を評価できないからである
評価のためには科学の外にある倫理が重要になる
しかし、それは非科学的で非理性的なものとして、科学は遠ざけている
フッサールは科学のテロスは失われたと言っているようだ
しかし、現代科学は意図してテロスを排除し、それを売り物にしている
現代科学の問題として指摘されていることは、科学の中心を成す考えが齎した必然だったのである
この本では、科学や哲学を取り巻く問題を現象学とマルクス主義の視点から論じているという
これからに繋がるものが出てきた時には再び取り上げたいものである
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