2022年9月22日木曜日

プラトンの『ティマイオス』を読む(4)


























宇宙が生成する以前に、「あるもの」(モデル?)「場」「生成」が存在していた

生成の養い親である「場」はいろいろなものを入れるが、どの部も均衡が取れず、あらゆる方向へ動揺させられていた

丁度穀物の不純物を取り除くための容器のように揺さぶられ、相互に似ているものを集め、似ていないものを引き離した

宇宙が生まれる前は、すべてのものが比率も尺度もない状態だったが、神が初めて、形と数を用いて形作ったことになる

そしてその際、可能な限り立派な善いものに構築したのである

その上で、これまでに挙げたそれぞれのものの配置と成り立ちを明らかにしたい


まず、火、土、水、空気は奥行きを持ち、それは面で囲まれているが、平面は三角形を要素として成り立っている

三角形には二等辺三角形と不等辺三角形の2種類があり、前者は一通りの型があるだけだが、後者には無限の型がある

これを物体の始原(アルケー)と仮定する

ここで、無限の型がある不等辺三角形から最も立派なものを選ばなければならない

それを、2つ集まれば正三角形になるものと仮定する

これらが結びついていろいろな立体が構築され、宇宙の構成要素となる

最も原初的な立体は正四面体で、最も動きやすいので火に割り振る











同様に、正八面体は火と水の中間の形として空気に、正二十面体は動きにくい形なので水に、正六面体は最も安定した底面を持っているので土に割り当てることにする





例えば、土が火に出くわし、火の鋭さによって分解されると、再び土同士が組み合わさるまで移動を続ける

水が火や空気によってばらばらにされると、水の部分が結合して火の粒子1個と空気の粒子2個が生じる

また空気の1粒子が解体すると、火の粒子2個が生じる

といった具合に、同種や異種のものが混じり合って無限の多様さが現れるのである











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