B)アナクシマンドロス(c.610 BC-546 BC)
アナクシマンドロスは、タレス(c.624 BC-c.546 BC)の大地は海に浮かんだ筏のようなものという見方を修正
大地は固形の円筒状の物体で、それが水ではなく未分化なもの、無限なもの(ト・アペイロン)と表現されるものに囲まれているとした
これは第1に、空間的にも時間的にも量においても無限で、あらゆる方向に無際限に広がっている
第2に、それは質においても無規定で、固体とか気体とか液体というような特徴を欠いている
彼はこれを神と同一視し、その中で渦や泡ができると、そこに世界が生じると考えた
師タレスの宇宙論からの離脱は、次のような論理によるものだとコリングウッド(1889-1943)は推論している
あらゆるものが生まれ出る基となるものは、未分化なものでなければならず、そこでこそ創造的な過程が起こる
水はそれに対立する乾いたものを前提としており、この2つはより未分化なものから出てきたと考えるべきではないか
また神学的には、タレスが神の超越性を唱えたのに対し、アナクシマンドロスは内在説を採っているように見える
なぜなら、この世界で渦動が起こるところではどこでも世界が生じるとしたからである
つまり、世界自体が創造主、神となる
しかし、この世界は広さにおいても、生命の持続においても限界がある
ただ、この自然には創造性があるという見方もあり、ある限界の中で創造的であり、神的である考えることもできる
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