2020年3月25日水曜日

精神と魂と身体(1)




古い問題、新しい考え?

精神と身体がどのような関係を維持しているのかという問題は、実は新しいものではない
この問題は現代哲学の中心にあり、哲学は認知科学と共にその回答に重要な進展を齎してきた

認知科学は、心の哲学、心理学、言語学、生物学、神経科学の交差点にある
一つには、認知科学が知識あるいは認識の領域において、新規の、決定的な知を進展させたと見られている
他方、認知科学のお陰で重要な進歩を齎すことができたという考えは、哲学者によって語られてきた神話の特徴がある
精神と身体の関係が問いかける問題は概念的なものである
従って、この点に関しては、どんな発見も根源的な変化を齎すことはできない

これらの問題は、人間の行動についての記述とその記述において用いられる概念に関するものである
人間がすることを説明するためには、そこに意図、欲求、恐れ、期待などがあると見做すのである
理解すべきことは、我々が人間の行動を説明するために、なぜ、どのように心理学的概念を用いるのかということである

しかし、このテーマに対する回答を心の科学に期待することはできるだろうか
この問いに対する否定は、心の科学が我々に何も教えないということを意味しないのは勿論である
このテーマに関する過剰な懐疑論に対する医学の進歩を容易に引用することができるだろう
しかし考えることは、純粋に心的な、あるいは純粋に物理的な(あるいはその両方)過程を示すことでは説明されない

精神に関する「デカルト的概念」と「新アリストテレス主義的概念」には反対することになるだろう
前者は、デカルトの二元論を問題にするならば、いささかも消え去ることはない
「認知科学」となって、唯物論の影響を受けている
後者は、心理学的な記述について概念的な分析を行うもので、「心の科学」に変容させるとは主張しない

代替案は限定されているように見える
現代哲学において、本当にデカルト主義とアリストテレス主義の間にしか選択の余地はないのだろうか
他の道が実行可能だったかもしれない

その一つは、現象学(明日以降に取り上げる予定)に重点を置くものだろう
もう一つは 、ジル・ドゥルーズのように欲望についての省察を通して、心と体の関係について教えるものだろう
しかし最も興味深い代案は、私が提案する新デカルト主義と新アリストテレス主義の間で発展させるものである








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