先日の函館文学館のパンフレットで見た切り絵がよかったので注文したところ、今日届いた
岩城之徳、後藤伸行著『切り絵 石川啄木の世界』(ぎょうせい、1985)
早速眺めてみたが、やはり良い
過去を現在に呼び戻して生きようとしている者、その雰囲気を好ましいものと思う
文学館で手に入れた歌集からいくつか
教室の窓より遁げて
ただ一人
かの城址に寝に行きしかな
蘇峯の書を我に薦めし友早く
校を退きぬ
まづしさのため
年ごとに肺病やみの殖えてゆく
村に迎へし
若き医者かな
目になれし山にはあれど
秋来れば
神や住まむとかしこみて見る
しらなみの寄せて騒げる
函館の大森浜に
思ひしことども
世わたりの拙きことを
ひそかにも
誇りとしたる我にやはあらぬ
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