2022年4月6日水曜日

ヒラリー・パットナムの「科学と哲学」2



























「哲学の機能に対する解としての論理実証主義は失敗であった」


論理実証主義とは、エルンスト・マッハの実証主義とバートランド・ラッセルホワイトヘッドが完成させた新しい論理学の手段が古い哲学の問題を一掃するという信念が融合したものの産物である

カルナップは1928年の名著『世界の論理的構築』ではまだ言っていなかったが、1934年には次のようなことを言い出した
形而上学や(形而上学的)認識論に属するすべての言説は、証明できないので非科学的である。ウィーン学団ではそのような言説を「ナンセンス」と言っている。

ここに論理実証主義の本質がある

それは、以下の2つの原理から成っている

1)我々の言語において意味のある言説は、(科学の方法により)検証、証明できるものであり、それ以外は議論できる内容を欠いた「ナンセンス」である

2)形而上学、倫理学、認識論に分けられる伝統的な哲学のすべての領域は、「ナンセンス」から成っているので放棄しなければならない

もしそうだとすると、哲学に何が残っているのか

論理実証主義者は大学の哲学科でどのような活動をするのか

カルナップは1935年の『論理的構文論』において、それまで哲学と呼ばれていたものをやるのではなく、「科学の論理」を研究することであると答えている

しかし、彼は哲学論争においては重要な貢献をしたが、今日、それらは何一つ「科学の論理」の研究としては認められていない

彼らが願ったように、哲学を科学の中に包み込むことに成功しなかったのである









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