2022年8月22日月曜日

ゲーテの言葉から(49)





























Victor Hugo c.1884 (1802-1885)




1831.7.15(金)

「やはり、自然研究がもたらす喜び以上のものはないな。自然の秘密は測りしれないほど深遠だが、われわれ人間にはますます深く洞察をすすめることが許され、またその能力があたえられているのだよ。しかもそれは結局最後まで推し測ることができないが、われわれにとっては永遠の魅力であり、くり返しその自然に接し、またくり返し新しい洞察と新しい発見をえようと努めさせるものだ」



1831.12.1 [11.30](木 [水])

「彼(ヴィクトル・ユゴー、1802-1885)がたった一年間で、二つの悲劇と一つの長編小説を書くというむこうみずなことをやり、さらにまた、ただ莫大な金をかきあつめるためにのみ仕事をしているというふうでは、どんどん悪くなって、どんなにすぐれた才能があっても、破滅しないはずがあるまい。私は決して、彼が金持ちになり、時代の名声を得ようとやっきになっていることを非難しはしない。しかし彼が後世に長く生きようと思うならば、もっと少なく書き、もっと多く勉強しなければいけないよ」



1832.1.5(木)

「芸術家はずねけたある一定の線まで達してしまえば、その作品のどれをとっても、それがほかのものよりいっそう出来がいいなどということは問題でなくなるのだよ。鑑賞眼のある人なら、どの作品をみてもつねに巨匠の腕と、すみずみにまでおよんでいるその才能と手法の冴えを見ぬけるだろう」


(山下肇訳)












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