2022年11月2日水曜日

コリングウッドによる自然(34): ルネサンス期の自然観(10)































今日はニュートン(1642-1726/7)について

スピノザ(1632-1677)の心身問題についての理論には理解し難いところはあった

しかしそれは、デカルト(1596-1650)理論の欠陥を乗り越えようとした聡明な精神の英雄的努力によるものだった

これはニュートンについて言えることどころではない

確かに、ニュートンの仕事は彼を偉大な思想家に位置付けた

ニュートンは数学においては革新者であり、微分学の発見では著名である

しかし、微分学はライプニッツ(1646-1716)が同時に独立して発見し、その発見の種子はデカルトの解析幾何学にある

ニュートンの天才は、不滅の書『自然哲学の数学的諸原理』(1687)の目次にあるような、彼が要求した問題を努力して解決した忍耐強い徹底にある

ただ、この著作の主要な考えは、数学的形態をとったデカルトの「普遍学」と全く同じである

また、第3巻の初めに書かれた方法に関する規則は、ベーコン(1561-1626)から引かれている

さらに、ニュートンの宇宙論は、ガリレオ(1564-1642)の宇宙論そのものである

すなわち、自然界は、延長、形、数、運動、静止を持つ物体の世界で、ケプラー1571-1630)の力の考えとウィリアム・ギルバート1544-1603)の物体間の引力の仮説によって修正されたものである

(この項つづく)










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