週末ということもあるのか、講演会があるからなのか、多くの人を見かけた
そして、職員の方が非常に丁寧に対応していることに気が付いた
西行(1118-1190)は12世紀、平安から鎌倉にかけての武士であったが、23歳で出家した
昨日はこの絵の前に来た時、気持ちが一気に開放されるのを感じた
それは、狩野尚信(1607-1650)による『富士見西行・大原御幸図屏風』(六曲一双)の右隻『富士見西行』である
この三曲の中央右手上から右にかけて富士が描かれ、中央左からたっぷりとした空白があり、左下方に富士を仰ぐ旅姿の西行が小さく描かれている
画集を見ても開放感は襲って来ないので、大きな絵の中にあるあの広い自然(空白)の中にいることを感じ取れる空間が必要だったのだろう
そして、そこにいる西行の姿が自分と重なったということなのだろうか
何とも幸福な気持ちになった
この絵は以下の歌に肖ったもののようである
風になびく富士のけぶりの空に消て行方も知らぬ我思哉
「今日はこの絵のためにだけにここに来たのか」といういつもの声も聞こえた
展示のおそらく半分以上を占める書に関しては、まだ興味が熟していないようであった
もう5年前になるが、吉野山の西行庵を訪問したことを思い出した
吉野山奥千本『西行庵』へ(2017年11月5日)
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