ヘーゲル(1770-1831)にとって、自然は実在するもので、錯覚やそこにあると我々が思うので存在している単なる見かけでもない
それは真に存在しており、精神から独立して存在している
真に存在する、実在するという言葉(real)は曖昧である
字義通りに言えば、それは物体(res)の特徴を持っている
もし物が時空に存在するもののことを言うのであれば、自然は実在するだけではなく、唯一の実在である
なぜなら、それはまさしく物の全体であり、事物性の王国であるからだ
日常語における real にはもう一つの意味がある
それは本物か模造品かという場合の本物に当たる
模造品の場合、それは実在する物(realitas)ではあるが、真なるもの(veritas)ではない
それが本来あると言っているところのものがないのである
自身の形相にあるものを身に付けようとするが成功しない
第2の意味から言えば、全ての自然にある物は real ではないのである
それは単なる見かけでも幻想でもなく、それ自身に成ることに成功していないものである
ヘーゲルはこのプラトンとアリストテレスの自然観を受け入れる
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