自然の中に在るすべては、何か定まったものになろうとしている
しかし、その目的への収斂は常に漸近的で、決して一致点には到達しない
そのため、自然の法則は現代の科学者によれば統計的な法則と呼ばれる
個々の行動を正確に記述するのではなく、彼らの行動の全体的傾向を記述するのである
その意味では、自然は real ではなく、自然の中のものはどれも科学が記述するものとは完全には一致しない
それは我々の記述が訂正を必要としているからではなく、自然には不確定性の要素、アリストテレス(384 BC-322 BC)の言葉を使えば、まだ完全な現実態になっていない可能態の要素があるからである
自然における不確実性の要素の理由は何なのか
ヘーゲル(1770-1831)の回答は非常に目新しい
古代ギリシア人は、それを物質のせいにした
形相は完璧なのに物質の中に完全には体現されないのは、物質が言うことを聞かないからだとした
しかしこれは回答ではなく、形相が物質に体現されていないことを言っているに過ぎない
ヘーゲルの回答は、自然の形相が体現されないのは、形相自体に問題があるからだというもの
形相の問題とは、体現されないようにさせるものが存在していることで、そのため本来的に形相は完全には体現されない
その形相はユートピアのものである
抽象的で、本質的に非物質なのに物質に再現されるように要求されているのである
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