本日も校正作業の後、ご褒美のような形で10年振りくらいのK氏とのランデブーとなった
大阪大学でのセミナーに呼ばれ、科学と哲学について話して以来ではないだろうか
探してみると、記録が出てきた
やはり10年前のことであった
大阪大学で講演し、大阪医大で過去と戯れる(2012.4.23)
K氏とは1970年代後半?、ニューヨークで一緒の時を過ごしたが、日本に帰られてからは免疫の中心的なお仕事をされ、この春に退職されたとのこと
今日は電車の音を聞きながら、主に科学の現状についてのお話が展開した
その多くは、今纏めている免疫のエッセイに出てくる話題と重なり、驚きながら聞いていた
ただ、お酒の影響か、それ以外の原因なのかは分からないが、その多くはすぐに思い出さない
ここでは浮かんできた話題を少しだけ
まず、仕事を辞められたばかりで、科学の在り方についての具体的な批判が出されていた
最近言われている日本の科学力が落ちてきているという話
その原因はどこにあるのか
科学とはそもそもどういう営みで、なぜ重要になるのかが本当に理解されていないのではないのか
それを伝えるべき科学者自体の理解がかなり怪しいのではないか
その理解があやふやだと社会も政治も説得できるものにはならない
思考の跡が見られない出がらしのような言葉では訴える力を持たないからだ
科学の現状に対する批判を持っている科学者、あるいは科学を客観的に考えようとする科学者は意外に多いのではないかとのこと
科学の中にいる時には、その枠内での論理、慣習に囚われることになり、自由な、理性的な思考に基づいた行動ができないという
その制約を多くの科学者が感じているようだ
それを解き放つような流れを作ることは、科学には難しいのだろう
科学の中の成果を出すことが第一義的に重要になるからだ
ただ、科学について哲学が参加することには意義があるという考え方をお持ちであった
実際K氏は、このような問題について語り合う科学者を中心とした会の立ち上げを考えているようなお話であった
志向はわたしのものと重なるところがある
これからも意見交換を続けて行きたいものである
またの機会を期待したい
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