フランシスコ・スアレスにおける形而上学の概念と近代形而上学の基本的特徴
アクィナスと中世哲学は、近代形而上学の発展にとって少しではあるが重要であることにも注目しなければならない
近代形而上学の発展に直接の影響を与えたのは、16世紀に生きた一人の神学者にして哲学者フランシスコ・スアレス(1548-1617)である
彼はアリストテレス形而上学を新しく解釈し直そうとしていた
スアレスの哲学者、神学者としての重要性はもっと認知されるべきで、彼の明察力や問いの独立性などに関してはアクィナスの上に置かれるべき思想家である
彼の重要性は、彼の影響の下で形而上学の分野が特定の形を採ったというような儀礼的なものだけではない
同様に重要なことは内容に関する問題を象ったことで、それは近代形而上学で再度呼び覚まされることになった
1597年、主著の Disputationes metaphysicae(全2巻)を刊行
サブタイトルにはその目的2つが示されている
1つは、自然神学(啓示に先立つもの)の内的構造全体を扱うことで、もう1つはアリストテレスの形而上学に属するすべての問題を適切に論じることであった
彼はアリストテレスの『形而上学』が秩序立っていないことを見ていた
この混乱を解消するために、主要な問題を体系的に並べようとしたのである
自然神学に関する全分野の議論はスアレスに行きつき、アクィナスにおいては形而上学的思考の応用とアリストテレス形而上学に対する注釈があるだけであった
0 件のコメント:
コメントを投稿