フランシスコ・スアレスにおける形而上学の概念と近代形而上学の基本的特徴(つづき)
Disputationes Metaphysicae の序文においてスアレスはこう書いている
形而上学的真理は神学的知そのものにとってなくてはならないものなので、もしそれが軽視されることになれば、啓示の神学という意味において、神学そのものが危ういものになる危険性がある
彼は、ここでは論理的な問題に過ぎない全ての問いを除外していると明確に強調している
第一の議論(Disputatio)は第一哲学あるいは形而上学の本質を扱っている
彼は形而上学がいろいろな言葉で表現されてきたことを議論している
sapientia、prudentia、prima philosophia、naturalis theologia、そして metaphsyica
自然神学や第一哲学が形而上学と呼ばれたのは、それが神を扱っていたからであると彼は言っている
アクィナスは一般的な存在を扱う時に「メタフィジカ」を表現した
しかし、スアレスはそれが神学である時に形而上学と呼んだのである
形而上学は自然のものに続くものを扱う
それは本の位置ではなく、内容に関するもので、感覚的なものより超感覚的な知が後に来るという意味であった
「メタ」は「後ろ」(post)の意味ではあるが、感覚的なものから超感覚的なものに進む知識の段階を意味していた
形而上学という学問が本質的な発展を遂げたのは、スアレスの影響によるところが大きいことは強調しておかなければならない
言葉の歴史から言えることは、スアレスの影響を受けた中世哲学が近代哲学の発展に決定的な影響を及ぼしたことである
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