2021年9月24日金曜日

コンシュ「哲学とその向こう側」(13)
































わたしは今、最も大きく最も重要なアテナイとその哲学者に対する恩義を自問している

それが哲学だとは言わないだろう

哲学は確かにギリシアのものではあるが、ディアスポラの中で生まれたものである

わたしは、プラトン、アリストテレス、エピクロス、ゼノンピュロンに恩義を感じている

全ての哲学者がその名に値するが、格別の恩義を感じているのはピュロンである

もし、まず何よりもわたしが感謝しなければならない人について考えるとすれば、名前が浮かんでくるのはソクラテスである



愛だけが人生を休むことなく人生を超えて輝かせる

わたしがソクラテスに負っているのは、愛のレッスンである

そして、ここでわたしが思い浮かべているのは、プラトンの『饗宴』におけるソクラテスの見事な演説ではなく、生きそして死ぬ、生身のソクラテスである



モンテーニュには主題が「最も優れた人間」であるエッセイが一つある

それは、ホメロス、アレクサンダー大王、エパメイノンダスという三人のギリシア人である

最後のエパメイノンダスが「最も優れている」

その上、「ギリシア人は彼らの中で異議を差し挟むことなく第一級の人間であるとする栄誉をエパメイノンダスに与えたのである。ところで、ギリシアで第一級ということは、世界で第一級ということである」

このエッセイは1578年頃書かれた

何年か後、モンテーニュはソクラテスのことを忘れなかった

エッセイの第3巻、最後の一つである第12章「人相について」でソクラテスの素晴らしい描写をしている

その時おそらく、ソクラテスはアレクサンダー大王に取って代わったのである







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