2021年9月4日土曜日

コンシュ「懐疑主義と哲学の意味」(23)











人間や魂の間には多くの違いがある

プルタルコスは、動物と人間に見られる獣性の間には、質の問題、魂の質の問題と理解することにして、人間の間ほど大きな違いは見られないと言った

ところで、モンテーニュはこう言った

「わたしはプルタルコスを高く評価し、この人とあの人の間の方が動物と人間の間より距離があると言いたい」

パスカルの観察によれば、「普通の人は人間の間に違いを見ない」が、才気煥発な人の目には、人間の違いは非常に大きい

なぜなら、人間によって、美と醜、高貴と下品、繊細と卑俗の違いは極端にまで行くからである

ペリクレスの顧問であった音楽家ダモンは、素晴らしい魂は高貴で美しいものを愛するということによって識別されると言っている

そのような魂にわたしは偶然にも出会った

わたしのこれまでの人生』で書いたマリー・テレーズがこの世界とそこで生きているものを観察し、眺めるやり方は、いつも美をわたしに示し、明らかにしてくれた

いま、彼女の眼差しが懐かしい

それがなければ、わたしは最早見ることができないのである










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